エアライン企業が女性搭乗者を優遇。シンガポール航空「なごみ+」に感じた違和感

シンガポール航空が、2018年10月以降、2019年3月末までに日本を出発する、同社便のプレミアムエコノミークラスに搭乗する「女性」限定の「なごみ+(プラス)」サービスを開始します。

プレミアムエコノミークラス限定というサービスはわかりやすくて良いですよね。

エアラインの世界は誰がなんと言おうと「高額の支払いを行ったもん勝ち」の完全な階級社会です。それで良いのか?という議論はもちろんあるとは思いますが、現在の航空券のクラス別サービスそのものを否定することになるので、この「航空券のクラス別サービスの違い」については、現時点であまり議論になることはないでしょう。

プレミアムエコノミークラスに搭乗する顧客ということは、エコノミー顧客よりも高額の航空運賃を支払った顧客ですから、少なくともエコノミークラスの顧客より上質のサービスを受けることができる。

これはもう、現代の資本主義経済の大原則ですので、当然だと思います。

ただ・・今回ご紹介するシンガポール航空の「なごみ+」は、なんと女性搭乗者のみを優遇するというサービスなんですよね。いろんな意味で違和感を感じてしまう点がありましたので、ちょっと感想も含めご紹介したいと思います。

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シンガポール航空「なごみ+」サービスとは

シンガポール航空「なごみ+」サービスとは、同社運航便のプレミアムエコノミークラス搭乗者、しかも「女性」限定のお得なサービスです。

この「なごみ+」サービスの提供は上記のとおり期間限定で、日本出発の5日前までに事前申し込みが必要となります。

利用条件は、同社の羽田・成田・関空発シンガポール行き(以遠含む)にてプレミアムエコノミークラスをご利用の女性限定となっています。

そして、一定の配慮がみられるな・・と思うのが、上記赤枠内のとおり同行者に女性を含む男性の利用も可能であること。確かに、ご夫婦で搭乗され、女性だけしかこのサービスを受けられないとなると、同行者の男性には不公平感が残りますからね。

「なごみ+」サービスのプログラムは大きく上記3つです。

  1. オリジナル・アメニティ・キット
  2. 日本出発便限定の機内食「なでしこスペシャル」
  3. 女性向け追加特典

ローカロリーを謳った②限定機内食「なでしこスペシャル」のメイン料理が思いっきり肉なのは気にはなりますが、この大きく3つのサービスを受けることができます。

ちなみに、①オリジナル・アメニティ・キットの内容は以下の通りになっています。

オリジナルポーチ、ホットアイマスク、入浴剤、ウエットティッシュに加え、荷物宅配無料券とリラクゼーションサロンの特別割引券。

リラクゼーションサロンの特別割引券は若干微妙ですが、その他のアメニティとサービスは、もらえるものなら貰いたいサービスですよね。特に、女性の方にとっては嬉しいサービスだと思います。

さらに、特典③の「女性向け追加特典」はかなり嬉しい特典で、抜粋すると、例えば上記のとおりラウンジが3時間無料になったり・・

クリスフライヤーマイル(シンガポール航空マイル)が追加で3,200マイルももらえたりします。

お得ですよね!女性の方は利用するほかない特典だと思います。さらに、女性の方と同行する男性の方も利用できますので、プレミアムエコノミークラスに搭乗予定の方は、利用するほかないサービスではないでしょうか。

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女性の定義とは

と、まあここまでこの「なごみ+」のお得度をご紹介してきたわけですが、私が感じる違和感が・・昨今巷で話題の、この「LGBT」の問題について、シンガポール航空のご担当者がどれくらい考慮したのかな?ってことです。

「なごみ+」とか、機内食の「なでしこスペシャル」という名称からして、このプログラムは多分同社の日本法人の企画だと思いますが、これ、本当に大丈夫?って正直思ってしまいます。

身体の性別 心の性別 好きになる人
女性 女性 女性
男性 男性 男性
男性or女性 両性
①男性or②女性 ①女性or②男性 両性

LGBTの定義を表にまとめたものがこちらです。

LGBT、それぞれの言葉については、余計な情報だと思いますので、ここではあえて触れません。定義だけ、少しだけ下記で解説します。

  • L:身体と心の性別は女性、好きになる人も女性
  • G:身体と心の性別は男性、好きになる人も男性
  • B:身体と心の性別問わず、好きになる人が両性
  • T:身体と心の性別が一致しない人

上記LGBTについて文字として起こしたものがこちらです。

そして、このLGBTを自覚する方は、人口の約10%はいらっしゃるといわれています。左利きの方やAB型の方よりも多くいらっしゃるといわれているので、本当に一般的な存在なんですよね。

今回の「なごみ+」サービスは、「女性限定」のサービスですので、まず気になるのは「T」の方への配慮ですね。例えば身体的性別は「男性」なんだけれども、心の性別は「女性」の方。

これらTの方は、このサービスを利用できるのか?ということです。

この「身体の性は男性、心の性は女性」のTの方・・つまり、パスポート上「身体の性別が男性で、心が女性の方」が、このサービスを利用できるか?について、私はシンガポール航空に問い合わせたわけではありません。

このため、本当のところはわかりません。ただ、「女性」だけが利用できるという、このHP上のサービスの表現「だけ」をご覧になった、パスポート上の性別表記が男性だけど、心は女性という「T」の方は、どう思うかな・・とは思いますね。

また、「女性に同行する男性も利用可」という配慮は見えますが、GやTの方の中には、身体の性は同性カップルだけど、心の性は男性・女性・・という方も当然いらっしゃるわけです。

つまり、パスポート上の性はどちらも男性なんですが、心の性は男性・女性のカップル、という方もいらっしゃるはずなんですよね。

その他にも、例えば、Tのカップルの中には、T同士・・身体の性は女性、心は男性と、身体の性は男性、心は女性のカップルもいらっしゃるわけですよ。この場合、心は男性だけど身体の性は女性の方に同行した男性・・という位置づけで、心は女性の方が気持ちよくサービスを受けられますか?ってことです。

このLGBTに関する配慮について、この「なごみ+」サービスは本当に考えたのか?

ちょっと、違和感を感じたのはこの理由なんです。

地下鉄の「女性専用車両」とは違う問題

誤解を招きたくないのでここであらかじめ申し上げておきますと、今回の私のブログ記事は、地下鉄や電車の「女性専用車両」にみられるような、明らかに「女性に被害が認められる」ような「専用」サービスの是非を論じているわけではありません。

電車では実態として、女性が様々な被害にあう現実がありますから、そういった専用サービスの設置は必要です。その点は別に論点にするつもりはありません。

この記事では、なぜプレミアムエコノミーに搭乗する「女性」客「だけ」を優遇する必要があるのか?いうことを論点にしています。

航空機のプレミアムエコノミー席で、女性が特有の何か不利益を被っていて、だから何らかの優遇措置が必要、ということは無いと思います。

この「なごみ+」は、これら被害を避けるために実施しているサービスではない。単純に航空会社が「女性顧客を増やしたい」という狙いから行っているサービス。

そして、その優遇措置について、上記LGBTの観点は本当に検討したのか?ということが、違和感の発端になっています。

別にプレミアムエコノミーに搭乗する女性「だけ」に、特別な危険が迫っているわけでも不都合があるわけでもありません。単純にエアライン企業の、優遇施策だと思うんです。

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エアラインは顧客差別に慣れすぎた?

このブログでもさんざん「ビジネスクラスとエコノミークラスの違い」についてご紹介してきましたので、「今さらお前が言うな」的なご指摘はあるのかもしれません。

が・・でも、やっぱり「支払った金額によるサービスの違い」と、生まれついた「性別」によるサービスの違いについては、ちょっと違うのではないかと思います。

思うに・・エアラインは顧客を差別することに慣れすぎている面があるのではないかと思うんですよね。

もちろん、繰り返しですが同一路線の航空券に対する支払いの金額の多寡によって機内サービスを変えることは当然です。資本主義社会の基本中の基本ですし、その優遇が無いと誰も普段の仕事を頑張らないと思うので、それは問題ないのですが・・それ、生まれついた性別に適用してはダメでしょう。

もしそれをやるなら、もう少しわかりやすい配慮・・例えば、パスポート上の性に限定しないことを明記することなどをしないと、かなり危険な「差別」に見える可能性があることを、理解しておく必要がある気がします。

もし私が担当者なら、このサービスはすべて性別にかかわらず、希望者への提供にしますね。

私は男ですので、アメニティも特に魅力的に感じませんし、荷物もわざわざ宅急便は必要ないので力業で持って帰ります。家に帰ってすぐに荷物の整理をしたいので、宅急便の到着までの1日間がもったいないと・・妻に怒られますからね。

でも、女性(身体の性、心の性問わず)にとって、アメニティが魅力的という方はいらっしゃるでしょう。

つまり、パスポート上の男性・女性という「性」で区別する必要は無いんだと思います。

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世の中のセンシティブな話題に敏感な企業が勝つ

このLGBTの問題は、杉田水脈議員の「暴言」問題に象徴されるように、日本国内でもまだ終息を見ていないというか、方向性が定まらない問題です。

こういったまだ方向性の定まらない問題に対しては、支払い金額による「ファースト・ビジネス・エコノミー」のサービスを区分することに慣れた、「差別上等」と(思われている)エアライン企業こそ、自分たちの施策が「資本主義的差別」以上の差別ではないのか?という観点を持った方がいいのではないかと思いますね。

この観点からすると、シンガポール航空の「なごみ+」は、普段からLGBTを意識している私にとってはちょっと違和感を感じるサービスでした。

もちろん、この問題についてはいろんなご意見、ご感想があってしかるべきだと思います。

そのいずれをも正解や不正解だと指摘するつもりはありません。

ただ、プレミアムエコノミーの乗客女性に明らかな不利益があり、その是正のためのサービス(例:地下鉄の優先車両)というわけでもない以上、「生まれついた「身体的性別」で、追加サービスを受けられるかどうかが決まる」という表現については、昨今の情勢も踏まえて、もう少し敏感になってもよいかな・・とは思います。

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