2021年1月26日、ANAが毎年この時期恒例の2021年度「国際線航空輸送事業計画」を発表しましたね。
予想されたことではありますが・・でも正直予想以上に厳しい計画になりました・・。
ANAとしては、少なくとも2021年についてはほぼ海外旅行需要は見込めないとの前提に立っている・・としか思えない計画になっています。
その前提にあるのが、IATA(国際航空運送協会)が発表している航空需要予測でしょうか。
- 国際線の需要が2019年レベルに回復するのは、前回の予測よりもさらに1年遅い2024年
- 短距離路線の需要は長距離路線よりも早く回復するが、2019年レベルに回復するのは、前回の予測から1年遅い2023年
- 2021年の旅客数は、2020年比では62%増と予測するが、2019年比では依然として30%減にとどまる
IATAの最新の予測が上記のとおり。
国際旅客数が2019年レベルに回復するのは2024年・・さらに2021年の旅客数は2020年よりは伸びるものの2019年度より30%減としていますし・・。
この発表の後、ヨーロッパや北米での需要の回復は、新型コロナの感染拡大に歯止めがかからない今、この予想よりもさらに遅れる予測を追加で発表しています。
気になるANAの2021年の国際線航空輸送計画を確認してみましょう。
スポンサーリンク
目次
大方針

まずはお約束?の大方針から。
2021年度ANA国際線航空輸送事業計画の大方針は・・上記の通りですが、ちょっと字が細かいので、抜粋したものが以下に示した通りです。
-
新型コロナウイルス影響による出入国規制や需要動向を都度的確に見極め、柔軟性をもち機動的に対応します
-
ボーイング777型機の早期退役に伴いボーイング787型機の長距離路線への投入を拡大し、収益性改善を図ります
まず、これは国内線同様なんですが、1つ目の大方針としてフライトの機動的な対応について言及しています。
これ、ANA側としては必然的な対応なんですが、乗客側からすると機動的に運休や減便があるってことですから、あまり嬉しい対応ではありません。
ただ、ANAも言及しているように、そもそも出入国規制がある国にフライトしても乗客はほぼ見込めないので、これはやむを得ない対応と言えるでしょう。
また2つ目の方針が、B777型機の早期退役と、B787型機への代替です。
多くの乗客が見込めない中、中型機で燃費も良い最新型のB787への切り替え、これはあらかじめアナウンスされていたことですから、これも規定路線・・と言えそうですね。
スポンサーリンク
個別計画

そして、2021年度サマーダイヤの個別輸送計画がこちらですが・・。
こちらが、完全に死屍累々状態(笑)。そもそも、一切飛ばしません!!って路線が、なんと16路線(うち、7路線は新規開設路線の開設延期)もあるんです。
さらに、3路線が減便です。
個人的にも、乗ったことがある路線がガンガン運休になっている・・。寂しすぎです。
新規開設延期&運休路線
- 羽田=ロサンゼルス(1日1往復増便)
- 羽田=サンノゼ
- 羽田=ストックホルム
- 羽田=ミラノ
- 羽田=イスタンブール
- 羽田=モスクワ
- 羽田=シドニー(1日1往復増便)
そして、7路線の新規開設延期路線がこちら。
ストックホルム、ミラノ、イスタンブール、モスクワなど、2020年度の待望の羽田発着枠獲得&ANA大攻勢の目玉路線が、一度も飛ばないうちに枕を並べて討ち死に状態です。
本当に、何があるかは分からないものですね・・。
- 成田=サンフランシスコ
- 成田=ニューヨーク
- 成田=デュッセルドルフ
- 成田=ウラジオストク
- 成田=パース
- 成田=ムンバイ
- 成田=チェンナイ
- 成田=プノンペン
- 成田=ジャカルタ
- 関西=香港
- 成田=台北
そして、上記路線が既に2021年サマーダイヤ期間中の運航中止(運航計画なし)を決定・発表しています。
ほぼ成田路線は運休状態ですので、羽田に国際線は集約する計画ってことですね。
また、これ以外の路線でも「出入国規制や需要変動を都度的確に見極め、柔軟性をもち機動的に対応するため、運休・減便が発生した場合については、引き続き月次で発表する」としていますので・・・。
実際には、これ以上の運休の発生はほぼ間違いないといって良いでしょう。
全日空、国際線の運航規模を半減 21年夏ダイヤ、16路線縮小(共同通信)https://t.co/TU3bq5A69U
— TRAICY(トライシー) (@traicycom) January 25, 2021
TRAICYさんがフライングで報じていた「ANA・国際線の運航規模を半減」の記事の内容を裏付ける結果になりましたね。
スポンサーリンク
2021年度ANA国際線はビジネス&在住者需要限定へ

ここまでの解説で言えること。
それは正直なところ、ANA2021年度国際線はビジネス需要、また在住者や留学者向けの国際線計画であって、一般旅行者を想定したものではない・・ってことですね。
中国や北米・欧州などにビジネスでやむなく?渡航する方は、実は私の知っている方にもいますが、正直、これらの方々はやむなく渡航するので14日間の隔離上等ですし、入国拒否さえ無ければ仕事上や生活の関係上行くしかない方たちなんですよね。
あくまでANA2021年の国際線事業計画はこういった国際線を必須で利用されたい方たち向けの必要最小限の路線の提供であって、旅行者向けの計画ではない・・って感じです。
まあ、当面の間入国時の隔離措置等は続くと思うので、ビジネスや在住者など、隔離の14日間は許容してでも行くしかない人以外は、飛行機を飛ばしても貰ってもそもそも乗れない・・というのが実は最も大きいんですけどね。
冒頭にも記載したIATAの需要予測も、この各国の入国隔離措置や検疫措置を見越してのことだと思います。
スポンサーリンク
2021年度は国際線は望み薄

ということで、ANAが2021年1月26日に発表した「2021年度国際線航空輸送事業計画」をかいつまんでご紹介しました。
まあ、こうなることはわかってはいましたが・・。ここまで無修正で見せつけられると、結構厳しいものがありますね(笑)。
正直、明らかに海外旅行客を想定した航空輸送事業計画ではありませんから、2021年度の海外旅行はかなり望み薄・・ということになりそうです。
個人的に既に予約済みの2021年のハワイのフライトがめっちゃ気になるのですが・・。
正直、「飛ぶ」と言われても今のままだと困る・・というか、帰国時の14日間の隔離措置を踏まえると絶対にフライトはできないので、いっそのこと欠航になってくれないかな・・と思いはじめてます(笑)。
ANAをはじめとした各航空会社は、2021年は国内線・・特に沖縄を中心とした離島を強化する方針がありありなので、南国リゾートに逃避したい方(笑)は、宮古・石垣・沖縄が狙い目かもしれません。
ANA2021年度国際線航空輸送事業計画は、こちらからご覧いただけます。国内線の航空輸送事業計画は下記関連記事からどうぞ。
年間50万マイルを貯める。陸マイラーのはじめ方はこちらから
私は普段の生活にちょっとの工夫をするだけで、年間50万ANAマイルを貯めています。え・・そんなにマイル貯まるの?と興味が湧いた方は、ぜひこちらも併せてご覧ください。
当ブログにアップされている、年間50万ANAマイル貯めて特典航空券を発券する方法、マイルの価値、そしてマイルの使い方は、以下にまとめています。順に読んで行くだけで、陸でマイルを貯める方法が誰でも簡単に理解できます。