毎年1月に発表となる、ANAの「その年」の運航方針を公表する「航空輸送事業計画」。
その2021年度国内線版が、例年より若干早く、2021年1月19日(火)に発表となりました。正直、毎年この時期に国内線版では首都圏へのアクセスの利便性向上・・特に国際線への乗り継ぎの利便性などについて一喜一憂するのが風物詩的になっていたんですが・・。
今年は新型コロナでそれも様変わり。
そして、今年は特に、新型コロナ禍での生き残りを賭けたANAの国内線に賭ける気持ちが色濃く投影された計画となっています。
これ、当然ながら我々ANAマイラーにとっても毎年滅茶苦茶気になる計画なので(笑)、かいつまんでご紹介したいと思います。
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大方針

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新型コロナウイルス影響による需要変動を都度的確に見極め、柔軟性をもち機動的に対応します
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使用機材の小型化を中心として一時的に事業規模を縮小し、徹底した費用削減を行います
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国内線を収益の柱と位置づけ、高需要路線を中心にネットワークを再編します
まず、今回発表された2021年国内線輸送事業計画の大方針が、大きく上記の3つとなっています。
キーワードをあげるなら「(需要変動に応じた)①機動的便数増減」「②機材の小型化」「③国内線の『収益の柱』化」ってところでしょうか。
単純に言っちゃえば、「機動的に便数は増減させます」「機材は、コスト重視で小型化します」「高収益・高需要路線を中心にします」ということですが・・逆に言えば「需要によっては運休することもある」し、「(収益性を重視し)乗客が見込めない路線は容赦なく切る」ってことですからね(笑)。
では、具体的な中身も見ていきましょう。
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運休・減便
通年の運休・減便

まずは、通年の運休・減便の計画から。
ここで分かりやすいのは、バリバリのビジネス路線である「羽田=関西」の減便、そして「成田=伊丹」「関西=福岡」の運休ですね。
正直私の会社でもそうですが、会議はリモートが浸透しわざわざ関西や東京に出張するなんてことはほぼなくなったので、これはもろに会議や出張のリモート化のあおりを受けたものと考えて良さそうです。
また、成田=伊丹の運休は国際線の休止による影響も大きいでしょう。
ANAさん的にはたまったものではないでしょうが(笑)、このあたりは順当な感じ・・ってところでしょうか。正直、出張による搭乗ニーズは、容易に回復はしないようにも思えますからね・・。
新幹線なんかも・・かなり大変でしょうね。
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期間限定の減便・運休

次が、期間減便・運休ですね。
これまた分かりやすいんですが・・特に各地から北海道・沖縄に向かう路線について、期間運航化(=運航期間以外は運休)が、多く発表されています。
中心となる運航期間はGWと夏休み期間で、冬期間は運休になる路線が多いですね。冬はどうしても新型コロナが流行る季節ですので、それを見越した期間運航化・・って感じでしょうか。
例えば静岡=札幌/沖縄や岡山=札幌、長崎=沖縄はこのパターンに当てはまります。地方都市から札幌・沖縄へのフライトはGWと夏休みだけ!!って感じになっちゃいますね。
その他、需要に応じて減便などの対応が取られることになります。
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増便・再開
通年の増便

ここまで、ある程度予想できた減便・運休情報をご紹介しました。
次にご紹介するのが、このコロナ禍で超絶珍しい・・そして、だからこそANAの思惑が色濃く出ている増便・再開路線です。
こちらが通年の増便路線ですが・・。まず真っ先に分かりやすいのが「羽田=沖縄」と「羽田=宮古」の増便です。
羽田=沖縄といえばSFC修行僧を中心に(笑)通年人気の高い路線ですし・・、羽田=宮古もSFC修行僧はもちろん、特に夏休みはハワイ代替の旅行先として人気ですからね。ここではしっかり稼ぎに来た!ってところでしょうか。
また、伊丹=沖縄や中部=札幌、中部=沖縄も通年1往復増便、そしてGWや夏休みなどの繁忙期は1日2便も増便になります。
大都市圏からの夏休み需要、国内旅行需要はしっかり確保しに行く・・ってことだと思います。
そして、最後にちょっと笑えるのが、一番上の「羽田=大館能代」のフライト。正直お世辞にも需要が多い路線とはとても思えませんが(笑)、これ、国土交通省が実施した「羽田発着枠政策コンテスト」っていう・・まあ簡単に言っちゃうと国策路線で獲得した発着枠なんですよね。
正直、ここに3往復させてどうすんだろう・・って思いますし、ANAさんもコロナでこんなことになるとは思わなかったでしょうが・・。
まあ、これはコンテスト枠ですのでやむなし!って感じなんでしょうね。ボンQ(ボンバルディアQ400)あたりを往復させてお茶を濁すのかな??
期間増便

そして、最後の計画が期間増便です。
これも、通年の増便と同じくGWと夏休みに掛け、北海道と沖縄(離島)方面を期間限定で増便する計画になっています。
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旅客機は小型化・需要に応じて運休も

そして、今回の計画ではっきり打ち出されているのがこちらですね。
機材は、とにかく省燃費(少人数の搭乗時でも燃料消費の絶対量が少ない)小型機中心の編成に。そして、緊急事態宣言など乗客数の減少が見込まれる際には躊躇なく運休・減便する方針を表明しています。
ANA “緊急事態宣言で需要減 東京発着路線を中心に減便 検討” #nhk_news https://t.co/5HDQMqkbhR
— NHKニュース (@nhk_news) January 5, 2021
そもそも、2020年1月からの緊急事態宣言の発出に際し、ANAの片野坂社長はNHKの単独インタビューに答え、以下の考えを明らかにしています。
- 緊急事態宣言が出た場合、需要の変化に合わせて東京を発着する路線を中心に減便を検討
- 需要がかなり減る場合は、赤字を出すわけにはいかず、減便や運休が必要
- 日本航空との統合という考え方には、賛同できない
片野坂社長は航空運輸の公共性、公益性については十分に認識しつつも、赤字を出すわけにはいかないという強い決意を表明しています。
今回の2021年度国内線航空輸送計画は、ANAの単独での生き残りを賭けた強い決意表明と考えた方が良さそうです。
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まとめ

以上、当年度のANAの方針を分かりやすく確認できる、2021年度国内線航空輸送計画についてかいつまんでご紹介しました。
キーワードを再度確認すると・・「(需要変動に応じた)機動的便数増減」「機材の小型化」「国内線の『収益の柱』化」です。
GWや夏休みなどの多客期には、大都市圏から沖縄・北海道等への増便が図られていますので・・特に関東在住の方は那覇路線のSFC修行は超安泰!と言ってよさそうです(笑)。
ただし、特にビジネス路線や、観光地域の路線であってもコロナ感染リスクの高い冬季などについては極端な減便・運休の可能性があります。
特に、緊急事態宣言やそれに準ずる・・自治体独自の緊急事態宣言の発令などが発生した場合、予約の減少に応じて躊躇なく減便・運休となる可能性もありそうです。
もちろん、その際にはANAのフライトについては払い戻し対応が可能となると思いますが・・。併せて予約する必要のあるホテルやレンタカー等についても、この輸送計画を意識した、キャンセルができる予約を計画した方が良さそうです。
そして、収益性をより高めるため機材の小型化も計画されているようですので・・。乗客は少ないけどやけに満席!なんてフライトも増えそうですね。
ANAの2021年度国内線航空輸送計画はこちらから確認ができます。
2021年度国際線航空輸送計画は2021年1月26日に発表されるそうですので・・。こちらも楽しみに待ちたいと思います。
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