飛行機の「事前座席指定」。
ものすごく便利なサービスではありますが、一方で例えば幼児の子連れ旅行で、子どもと並び座席が事前指定できなかったりすると、まさに血の気が引いてしまいますよね。
私もよく年末年始やゴールデンウィークなどの繁忙期に、この「事前に座席指定ができない!」というトラブルに巻き込まれるんですが・・。
これまでの幾多の経験を踏まえ、慌てずにとある2つの方法を試してみたところ、なんの問題もなく子どもとの並び座席を確保することができました。
同様の状況で不安を抱えていらっしゃる方のために、知られざる飛行機の座席指定のルールと、子連れ飛行機旅行で並び座席を確保するために試してみるべき2つの座席指定方法をご紹介します。
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目次
座席指定の裏ルール
ある年のGWに私が親子4人(親2人×幼児2人)で国内線特典航空券を確保して、座席指定しようと思って開いた画面がこちらです。
まさに絶望的ですよね。
座席指定は子連れにも関わらずバラバラにしか取れませんし、そもそも4人で予約しているのに座席は3席しか指定できないんですよ。
でも、この座席指定状況で、とある事実について説明しやすくなりました。
その「とある事実」、それは「事前座席指定できる座席として開放されているのは一部の座席だけであって、全座席が乗客全員が指定できる座席として開放されているわけではない」ということです。
つまり、ぱっと見は子連れにも関わらず並びで指定できる座席が無いように見えるのですが、実は、まだ指定可能な座席はかなり残っているということです。
まずはこの事実で安心してください。
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事前ブロック座席
え・・それってどういうこと?かと言いますと・・。
実は、事前に座席指定できる席の数とエリアには、各航空会社の会員ランク別の「格差」と、航空会社のブロック座席があるんです。
この格差とブロック座席は、この後紹介する事前座席指定の方法に影響しますので、簡単に紹介しておきます。
皆さんご承知のとおり、航空会社には、例えばANAなら「ダイヤモンドメンバー」といった上級会員制度があります。
上級会員はいわゆる「一般会員」に比べて優先搭乗サービスやチェックインカウンターでの優先サービスなどを受けることができます。
これが会員ランク別の「格差」です。
また、この上級会員制度とは全く別の観点からの「格差」が、当然ながら航空運賃です。
ANAの場合なら「ANA Super Value」といった割引運賃と、普通運賃の2種類が販売されています。同じ搭乗地から目的地まで飛ぶのに、割引運賃と普通運賃、値段はスーパーバリューより普通運賃の方が下手すると2倍以上します。
もう、お分かりですよね。この「上級会員かどうか」と、購入したチケットの「運賃ランク」によって、実は事前指定できる座席の数とエリアが異なるのです。
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格差による事前座席指定可能座席の大体の目安と「ブロックエリア」
この座席指定の「格差」ですが・・。
機材や便の搭乗者の構成によっても異なりますので一概には言えませんが、大体の目安を示すとするなら上記のような感じになります。
上記青枠内一番前列のエリアは、VIP登録顧客(上場企業の経営者など社会的ステータスが高く特別に登録のある顧客)と「ANAダイヤモンド会員」のような超上級会員のみが事前に指定できるエリアになります。
ちなみにこのエリアでも特に1AはVIP登録顧客の指定の方が優先ですので、超上級会員でも指定できないことの方が多いですね。
その次の赤枠内・・・そしてこの赤枠内が実は非常に重要なのですが、このエリアは通常航空会社が、これまで説明した上級会員、普通運賃購入者とは全く別に、事前座席指定をブロックしているエリアになります。
(※ブロックしている座席数は機材と便によってまちまちです。また、乗客構成によっては上級会員や一般乗客にもリリースしています。あくまで目安としてご覧ください。)
この席は、ハンディキャップのある方(旅行直前に骨折してしまった方など、常時ハンディキャップがあるわけではない方を含む)のように、当日どうしても特別な対応が必要な乗客向け等に航空会社がブロックしている座席です。
ここまでが、上級会員+航空会社がブロックしている座席になります。
そして、上記の座席配置図での赤枠より機体後方の座席は、一般乗客が事前に指定できるエリアになります。
しかし、この赤枠以降のエリアも、実は普通運賃での乗客と、スーパーバリューやツアー客など格安航空運賃乗客で、それぞれ事前指定できる座席数はかなり異なります。(航空会社の当日の乗客構成によってかなり違いがあります)
ANAの場合は、こんな感じで公表されています。
格安チケット購入者は3列座席の真ん中席しか予約できない一方、普通運賃搭乗者は窓際座席が予約できたり、非常口前座席(足元が広い席)が予約できたりする、という違いがあるということです。
と、ここまででご紹介したとおり、Web上で予約できる座席が埋まっているからといって、その他の座席は満席ということではありません。しかも航空会社がブロックしている座席もあるということです。
ここまでは、参考までに覚えておいてください。
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航空会社側の説明
ちなみに、この「事前座席指定できる座席数を制限していること」については、航空会社も認めている事項です。
ANAの場合は、上記のとおり「機体のバランス管理」「車いすをご利用になるお客様用の座席確保」「盲導犬をお連れのお客さまなど配慮を要するお客様用の座席確保」の理由から・・。
事前座席しているできる座席数に制限を設けていることを公式にアナウンスしています。
特に、ボンバルディアのCRJシリーズなど、小型軽量機体の場合・・・。
機体のバランス管理の観点からさらに複雑な座席指定制限を設けています。
ということで、事前にWebから座席を指定できないからといって、決して悲観する必要はないということです。
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座席を確保する方法 ①直前座席開放のタイミングを狙う
このように、上級会員やVIP顧客、もしくは普通運賃での搭乗者のみに確保されている座席がある、ということまではよろしいでしょうか?
では、この一部の乗客向けの座席が、本当に出発ギリギリまで確保されているのかというと、そういうわけではなく・・。
出発の一定時間前に、その他の一般乗客にも開放されます。
この一般乗客への座席開放時が、まずは子連れ乗客が子どもと並び座席を確保する最優先のタイミングになります。
この一般乗客への座席開放タイミングは以下のタイミングでして、これは各航空会社から公表されています。
- ANAダイヤモンド会員:いつでも指定可能な座席が開放
- ANA上級会員(ダイヤ以外):搭乗2日前の0時
- ANAカード会員:搭乗2日前の12時
- ANA一般会員:搭乗1日前の0時
例えばANAの国内線に搭乗する場合で、子連れなのにどうしても並び座席が取れない!という場合で・・。
もしあなたがANA上級会員ではなく、ただANAカードは持っている!!というANAカード会員の場合は、まずはこの出発2日前の12:00~の「座席開放」での座席確保が第一優先のタイミングになります。
また、ANA一般会員は搭乗1日前の0時が座席開放のタイミングです。
例えば、この座席開放のタイミングで表示された座席がこんな感じの場合・・。
親子4人の場合親子並び×2で親子並びの席を確保できます。また、親子3人の場合親子並び+もう一人の親単独1席を確保できます。
全員が横並びになれなくても、このタイミングである程度納得できる席が確保できたら、それで我慢するべきです。
- JAL上級会員:国内線前方座席指定サービスを利用可能
- JAL一般会員/JAL会員以外:出発48時間前(2日前)
- 出発3時間前にも座席開放の可能性あり、
JALの場合は、JAL上級会員であれば国内線前方座席指定サービスを利用することができますが・・。
JAL一般会員もしくはJAL会員ではない方の場合、搭乗便出発の48時間前に指定される座席が追加される場合がありますので、このタイミングが超チャンスです(笑)。
また、出発3時間前に座席開放される可能性が高いので、このタイミングを狙っていきましょう。
まずは、直前の「座席開放」のタイミングで親子並びの席を確保することを第一優先にしてください。
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座席を確保する方法② 当日空港カウンターで座席指定
直前座席開放でも残念ながら親子並びの座席を確保できなかった場合・・。
特に満席便の場合などには決してあり得ないことではないのですが、この場合の最終手段としては、当日空港カウンターで座席指定する方法がおススメです。
この方法は、簡単にいうと前述の航空会社がブロックしている赤枠内座席の指定をお願いする方法になります。
事前にANAやJALに問い合わせをしてお願いしても良いのですが、多くの場合、「ご要望は承りますが、後は当日現地のカウンターで相談してください」ということになります。
というのも、この航空会社がブロックしている座席は、車椅子の方や盲導犬をお連れの方など、重度のハンディキャップをお持ちの方用にブロックしている座席であって・・。
子連れの乗客用の座席ではないからです。
つまり、当日の乗客をある程度把握してからでないと、子連れの乗客に、本当に事前にブロックしておいた座席を開放してよいか判断できないんです。
このため、当日カウンターでのお願いは一種の賭けになります。
ただ・・・航空会社がブロックしている座席はかなりの数あるので、当日カウンターでお願いすれば、かなりの確率で並び席を用意してもらえると思います。(※ただし、子どもが本当の幼児(私の子どもは4歳です)の場合限定です。子どもが中学生で・・とか、下手するとカップルで並び席を・・とかのリクエストはご迷惑になるので絶対にしないようにしましょう。)
私の場合、今回は子ども2人と母親が1列(1列3席並び)、私自身はかなり離れた真ん中席に指定してもらいました。
子どもと親が一列に並べたら、それ以上高望みをしてはダメだと思いますね。
相談は発券カウンターで
この「当日現地で座席指定する」方法を利用する場合、いきなり手荷物カウンターに行ったり、保安検査を受けてしまってはダメです。
まずは各航空会社の発券カウンターに立ち寄る必要があります。
発券カウンターで、「子連れで搭乗するのだけれど、事前に子どもと並びで予約ができなかった」「子ども1人での搭乗は、周囲の方にご迷惑が掛かる。最低限〇〇はお願いできないか」というお願いをダメ元でしてみましょう。
ほとんどのケースで、何とかギリギリの提案をしていただけると思います。
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おまけ:まさかの優先チェックインサービスも
ANAでは、以下のような対応をしてもらったことがあります。
子連れで親子4人、長蛇の列の手荷物カウンターにならんで・・・15分くらい並んだところで、「座席指定を事前にしていない人は、先に発券カウンターへ」という看板を発見したんですよね。
係の方に「手荷物カウンターでは座席指定はできないの?」とお伺いしたところ、「できません」ということだったので、慌てて子連れで全員で発券カウンターに並びなおしたんですよ。
発券カウンターでの座席指定後に、改めての手荷物検査に並んだら、その列を整理していた係の方(ちょうど私が手荷物カウンターでの座席指定ができないのかお伺いした係の方)が、「お子様連れのお客さまですし、並びなおしですのでこちらからどうぞ」といって、ちょうどガラガラだったANA上級会員向けのカウンターでの手荷物預かりを案内してもらえました。
多分、そのまま並んでいると30分くらいはさらに時間が掛かったと思います。こういう何気ないサービスが、ロイヤルカスタマーを増やすんだろうな、と思います。
各航空会社、本当に子連れには優しい対応をしてもらえます。でも、同じ子連れとして決してそれに甘えてはいけないと思います。まずは自分でできる範囲で、座席開放のタイミングを見計らいながら、事前に座席の予約をしましょう。
それでもどうしても予約ができない場合は、今回紹介した方法で相談してみると、必ず良い回答を得られると思いますよ。
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