ANA国際線特典航空券で、プレミアムエコノミークラスの予約が可能になりました。
他の航空会社では一般的なこのプレミアムエコノミークラスのマイルを使った特典航空券での予約ですが、ANAではプレミアムエコノミークラスは主にスーパーフライヤーなど上級会員向けの無料アップグレード座席として開放されており、マイルを使った特典航空券には開放されていなかったんですよね。
このプレミアムエコノミークラスが、特典航空券に開放されるとなると・・上級会員の無料アップグレードがどうなるかは何となく予想されるところですが・・。
このANA国際線特典航空券でのプレミアムエコノミークラスの予約開始の全貌について、早速解説します。
スポンサーリンク
ANA国際線特典航空券でのプレミアムエコノミー予約開始について
必要マイルチャート

ANAの国際線プレミアムエコノミークラスに搭乗するのに必要なマイルチャートが上記のとおりです。
折角なので、エコノミークラス、ビジネスクラスと比較したものが下記のチャートですね。(日本発の場合)
アジア2 | ハワイ | 北米 | 欧州 | オセアニア | ||
L | Y | 30,000 | 35,000 | 40,000 | 45,000 | 37,000 |
PY | 46,000 | 53,000 | 62,000 | 67,000 | 54,000 | |
C | 55,000 | 60,000 | 75,000 | 80,000 | 65,000 | |
R | Y | 35,000 | 40,000 | 50,000 | 55,000 | 45,000 |
PY | 51,000 | 58,000 | 72,000 | 77,000 | 62,000 | |
C | 60,000 | 65,000 | 85,000 | 90,000 | 75,000 | |
H | Y | 38,000 | 43,000 | 55,000 | 60,000 | 50,000 |
PY | 54,000 | 61,000 | 77,000 | 82,000 | 67,000 | |
C | 63,000 | 68,000 | 90,000 | 95,000 | 80,000 |
シーズンおよび目的地別で「ブレ」はもちろんありますが、プレミアムエコノミークラスの所要マイル設定は、エコノミークラスの所要マイル数に対し、1.4~1.5倍程度という設定です。
ビジネスクラスの倍率設定が1.6~1.7倍程度ということを考えると、なかなかに高め、挑戦的な所要マイル設定と言えるのではないでしょうか。
搭乗開始日、予約開始日

このANA国際線特典航空券でのプレミアムエコノミーの予約開始日、搭乗開始日のスケジュールは、上記のとおりとなっています。
予約開始が2018年12月5日15:00から、そして、搭乗開始日が2019年4月1日搭乗便からです。
プレミアムエコノミークラスで予約可能な路線
このANA国際線特典航空券でのプレミアムエコノミークラスの予約開始により、羽田ーロンドン、羽田ーニューヨーク線など、30路線でプレミアムエコノミークラスのマイルでの予約が可能になります。
また、注目すべきは、ANAのプレスリリースに記載されている以下の一文です。
また、2019年春からは東京=ホノルル線で世界最大の旅客機エアバスA380型機の導入を予定しています。
同機材のプレミアムエコノミークラスは、弊社が現在ホノルル線に運航している機材の5倍以上となる73席を備えており、ご提供する座席数を拡大させることで、お客様のマイル活用の利便性をさらに高めてまいります。
ANAとしては、ハワイ路線のA380の座席のうちプレミアムエコノミーも積極的に特典航空券に開放することで、マイル活用の利便性を高めていく、ということのようです。
もちろん、どれほどの座席数が特典航空券に開放されるのか、本当に特典航空券への開放座席数が増えるのかは正直わかりません。
しかしながら、今現在もう滅茶苦茶といってよいほどマイルで特典航空券が取りづらいホノルル路線の特典航空券の座席数が増える、というのは、ちょっと興味深い情報であることは確かだと思います。
スポンサーリンク
プレミアムエコノミーの特典航空券への開放は改善?改悪

さて、このANA国際線特典航空券へのプレミアムエコノミー座席の開放ですが、我々マイラーにとって改善なのでしょうか?それとも改悪なのでしょうか。
もちろん、これまで予約できなかった座席が予約できるようになり、ANAのリリースによると総座席数も増やす方向ということなのですから、改善であることには間違いはないのでしょうが、かといって、全面的に改善かというとそんなこともない・・。
それが、陸マイラー的な率直な感想だと思います。
微妙ポイントその① プレミアムエコノミーの価値と所要マイルの関係

何故全面的な改善とは思えないのか?まず第一の微妙ポイントその①がこちらです。
私自身実際に搭乗もしましたが、正直、プレミアムエコノミーってビジネスクラスに比べるとイマイチなんですよね・・。もちろん、エコノミークラスに比べると数倍快適であることは間違いありませんが、ビジネスクラスに比べてしまうと「いまいち感」がどうしても拭えません。
詳しくは上記関連記事に記載しましたが、大して広くなく、フラットにもならないシート、エコノミーとほぼ同等の食事・・・。
プレミアムエコノミークラスは航空会社にとって最も利益率の高いクラスだそうです。それだけ、プレミアムエコノミーは航空会社にとって搭乗客へのコストが掛からない割に儲けが得られるクラスだってことですよね。
そのプレミアムエコノミークラスへの搭乗にビジネスクラスに限りなく近いマイルが必要というのは、若干割高感は感じてしまいますね。
このため、例えばANAのA380ハワイ路線の方向性が、「ビジネスクラス特典航空券枠の拡大」ではなく、「プレミアムエコノミークラスへの特典航空券枠の拡大」で落ち着いていくとしたら、これはこれで若干微妙だな・・というのが率直な感想です。
微妙ポイントその② 上級会員向けプレミアムエコノミークラスへのアップグレードが改悪

そして、陸マイラーの中でもANAスーパーフライヤーズ(SFC)など、上級会員の皆さんにとって最も大きな打撃となるのがこちらでしょう。
冒頭にも記載したとおり、ANAのプレミアムエコノミークラスはもともと上級会員向けに、「当日空席があったら無料アップグレード可能」な座席として開放されていました。
そのプレミアムエコノミーの座席が特典航空券に開放されたら、必然的に「無料アップグレード」は淘汰されてしまいますよね。
この予想どおり、「ダイヤモンドサービス」「プラチナサービス」、そして「ANAスーパーフライヤーズメンバー」向けに提供されているプレミアムエコノミークラスへの変更サービスは、2019年9月末で終了することがアナウンスされています。
この「プレミアムエコノミーへの無料アップグレード」特典を目当てに苦しい修行を解脱したSFC会員の方にとってはまさに「無念」な出来事ですよね・・・。
私は頻繁にANA国際線に乗りまくるわけではないので、SFC修行はしていませんが、SFC修行僧にとっては痛い「改悪」だと思います。
上級会員向けプレミアムエコノミークラスアップグレード特典について
じゃあ、上級会員向けのプレミアムエコノミーへのアップグレード特典は、すべてなくなってしまうのかというと・・実はそんなことはありません。
これまでビジネスクラスへのアップグレードに利用できた、「アップグレードポイントでのアップグレード利用」が、プレミアムエコノミークラスに対しても、2020年の4月から可能になります。
アップグレードポイントについては、詳しくはこちらをご覧いただきたいのですが、簡単に説明すると、上級会員が前年のフライト実績に応じてもらえるポイントのことです。
SFC会員の場合、前年1年間に1回も飛行機に搭乗しなくとも、4ポイントのアップグレードポイントがもらえます。

この4ポイントで、ハワイを含むリゾート路線、および東南アジアを結ぶ路線のエコノミークラスを、1回だけプレミアムエコノミーにアップグレードできます。
1回だけでもプレエコへのアップグレードは可能ですので、上級会員の威力はまだまだ健在であることも確かです。
スポンサーリンク
プレミアムエコノミーの特典航空券開放/上級会員への改悪のスケジュール
ここまで見てきたとおり、プレミアムエコノミークラスの、ANAマイルを使った特典航空券への予約開放は2019年の4月からです。
そして、上級会員のプレミアムエコノミーへの無料アップグレードの終了が同じく2019年9月末。そして、上級会員向けのアップグレードポイントを利用したプレミアムエコノミーへのアップグレードサービスの開始が2020年の4月からとなっています。
スケジュールが若干ズレていることは、お分かりでしょうか。そして、この「ズレ」には実は微妙な意味があります。
そして、このスケジュールの「ズレ」が、2019年度「ダイヤモンド」「プラチナ」「スーパーフライヤーズ」会員への救済策になっているんですよね。
|
上記が、今回の救済策をまとめたものです。
簡単にこの施策の意図を解説すると、「2019年度中だけは、ダイヤ・プラチナ・SFC会員にはプレミアムエコノミー無料アップグレードはできるように配慮する」ということです。
いきなり特典「廃止」だとちょっとやりすぎなので、1年間の激変緩和措置を設けた、といえばわかりやすいでしょうか。
上記のうち、2019年10月~2020年3月末までの上級会員向け特別無料アップグレードキャンペーンの概要はこちらをご参照ください。
2019年も上級会員はこれまで通り空席があったらプレミアムエコノミーへの無料アップグレードが可能?
ただ・・ご案内のとおり2019年4月から一般ANAマイラー向けにプレミアムエコノミーの特典航空券が開放されます。
このため、かなり、プレミアムエコノミークラスの搭乗率も、高くなることが予想されます。
必然的に、上級会員向け無料アップグレード特典も取りにくくなることが予想されますので、一応上級会員向けの救済策でありますが、何となく「焼石に水」な救済策になる気もしますね。
少なくとも、「これまで通り」の取りやすさにはならないでしょうね。
プレミアムエコノミーへのマイルを使ったアップグレードは2020年4月から
そして、ものすごくややこしいのですが、ANA一般会員向けには、もう一つのサービスとして、ANAマイルを使った「アップグレードサービス」がはじまります。
これ、ANA上級会員向けのアップグレードポイントを利用したアップグレードとは別サービスです。
このサービスは、2020年4月搭乗便からの開始(2019年9月下旬予約開始)となっています。2019年度中からの開始ではないので、とりあえず、上級会員の方々の無料を含むアップグレードには影響はありません。
スポンサーリンク
プレミアムエコノミーに関するサービス開始時期まとめ
会員分類 | 施策 | 2019年4月 | 2019年9月 | 2020年4月 |
上級会員 | 無料アップグレード | ○ | △ | ✖ |
アップグレードポイント | ○ | |||
特典航空券 | ○ | ○ | ○ | |
マイルアップグレード | ○ | |||
一般会員 | 特典航空券 | ○ | ○ | ○ |
マイルアップグレード | ○ |
ここまでご説明したプレミアムエコノミーに関するサービスの開始時期をまとめたものがこちらです。
上級会員、一般会員ともに特典航空券でのプレミアムエコノミーの予約開始は2019年4月から開始します。一方、上級会員向けの無料アップグレードも、2019年中は継続提供されます。
ただし、この無料アップグレードは、2019年10月~2020年3月末は「△」表記としたように、公式には2019年9月末をもって無料アップグレードサービスは終了し、「無料アップグレードキャンペーン」として半年間継続する、とのことですのでもしかすると若干予約がしづらくなることも考えられます。
そして、2020年4月からは、一般会員向けには、特典航空券かマイルアップグレードでのプレミアムエコノミークラスの開放がスタートします。
一方、上級会員は無料アップグレード特典が終了し、特典航空券かアップグレードポイントかマイルアップグレードの3つの選択肢になる、ということです。
しかし・・ややこしいですね。
スポンサーリンク
国際線特典航空券でのプレミアムエコノミークラス予約開始は改善?改悪?

以上、ANA国際線特典航空券でのプレミアムエコノミークラスの予約開始の概要と、これに伴う上級会員向け無料アップグレード特典の改悪等についてご紹介しました。
上記の記事でも記載のとおり、プレミアムエコノミーは個人的におすすめのクラスではありません。
もう少し所要マイル数が少ないならともかく、ほとんどビジネスクラスと遜色ない・・という、この所要マイル数では、トータルすると若干の「改悪」というのが率直な印象です。
ただ、ANAマイラー界隈では今や「発券したという方を見つけることがもはや都市伝説」とも言われるマイルを使ったハワイ路線の特典航空券の発券を含め、特典航空券の総枠が増えるという方向で働くなら、これはこれで改善と言えるのかもしれません。
何しろ、特典航空券に発券できないマイルをいくら持っていても仕方ありませんからね。
ただ、個人的にはANAマイルでもまだまだ特典航空券は取れるとは思ってはいます。
一方、ANAの上級会員の皆さんにとっては、プレミアムエコノミークラスへの無料アップグレード終了というのは、かなり深刻な改悪、という方も多いのではないでしょうか。
2019年度中は救済策が用意されていますが、2020年度以降は深刻な改悪ですね。
少なくとも一般陸マイラーの私にとっては、このプレミアムエコノミークラスの特典航空券への開放が、特典航空券への開放総座席数の増につながるなら改善、結局開放座席が同数なら改悪かな・・というのが個人的な感想です。
以上、プレミアムエコノミークラスに関わる特典航空券およびアップグレード特典の変更について、ご紹介しました。
年間50万マイルを貯める。陸マイラーのはじめ方はこちらから
【まずここからご覧ください】当ブログにアップされている、年間50万ANAマイル貯めて特典航空券をガンガン発券する方法、マイルの価値、そしてマイルの使い方は、以下にまとめています。順に読んで行くだけで、陸でマイルを貯める方法が誰でも簡単に理解できます。
私はポイントサイトを利用して、夫婦で年間50万ANAマイルを貯めています。え・・そんなにマイル貯まるの?と興味が湧いた方は、ぜひこちらも併せてご覧ください。
ANAマイルだけでなく、JALマイルも年間15万マイル貯めることができますよ!JALマイルは特典航空券の発券が簡単なマイルですので、ぜひ貯めてみましょう!