うーん。個人的にはかなり迷走してんな・・って感じですけどね。
ANAさんは、2021年5月20日、バーチャルトラベルプラットフォーム「SKY WHALE」の開発・運営を担う新会社「ANA NEO株式会社」の設立を発表しました。
ANAさんは新型コロナの直撃で経営が極端に傾いた反省を踏まえ、フライト(旅客)事業一本足打法からの脱却を目指しており、このANA NEOの設立もその一環になりますね。
そして、このANA NEOが開発・運営し、収益化を目指す「バーチャルトラベルプラットフォーム」とは、その名のとおり「仮想旅行ができる『場』」って意味なんですが・・。
これがなんか地に足がついてない感じなんですよね。
ANA NEOが開発する「SKY WHALE」の概要と狙い・・そして一ユーザーとして感じたところを書き殴ります(笑)。
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バーチャルトラベルプラットフォーム「SKY WHALE」
ANA NEOが2022年中のサービスローンチ(公開)を目指し、開発中なのが・・こちら「SKY WHALE」です。
当然ですが、ガチのクジラの形の飛行機を開発している訳じゃないですよ(笑)。
これ、ANA NEOが開発中のバーチャルトラベルプラットフォーム(仮想旅行ができる『場』)=「SKY WHALE」のイメージ図です。当然ですけどね。
そして、このSKY WHALEは、大きく「SKYパーク」「SKYモール」「SKYビレッジ」の3つのサービスでの構成がアナウンスされています。
各サービスの概要は、それぞれ以下の通りですね。
- SKYパーク:3D CGによって描かれた世界の様々な都市や絶景スポットを舞台に、誰もが気軽に楽しめる新しい旅行体験を提供
- SKYモール:空港でのショッピング、エンターテイメントをイメージしたバーチャルショッピング空間。自由にモール内を歩き、買い物や各種イベントが楽しめる
- SKYビレッジ:バーチャル上での医療・教育・行政などのサービス展開を予定
簡単に言うとSKYパークではバーチャルでの旅行体験が楽しめる。
SKYモールではバーチャルでの空港ショッピングやエンターテイメントが楽しめる。
SKYビレッジは・・ちょっと異質ですが(笑)医療・教育・行政などのサービス展開となっており・・。
つまり、主にバーチャルでの旅行体験(SKYパーク)と空港でのショッピング体験(SKYモール)を提供し、収益化につなげる・・という事業構想なんですよね。
そして、この「SKY WHALE」構想の総合プロデューサーには、「ファイナルファンタジーXV」を世界的に成功させたJP GAMES株式会社の田畑端氏が、また、音楽企画監修には葉加瀬太郎氏が就任し、臨場感溢れるSKY WHALEの世界観を作り上げるとのこと。
ANAの強みはまさに旅行事業にありますので、旅行つながりの・・まあ、考えられなくもない構想と言えるでしょう。
ただ・・ちょっと、いやかなり心配な点が無きにしもあらずなんですよね・・。
- ANAグループでは新しいビジネスモデルへの変革に取り組んでいます。
- ANA NEOは、ANAグループが航空会社としてこれまで培ってきた知見およびマイレージプログラムや普及型アバターロボット「newme注1」で提供している各種サービス等を最大限活用することで、ビジネスモデルのデジタル化を促進してまいります。
- バーチャル空間における旅行やショッピングなどの消費体験を通じてリアルを超える体験消費ニーズに応えるとともに、「地産外商」による地域創生や、リアルとバーチャルを融合させることにより経済発展と社会的課題の解決を両立するSociety 5.0の実現への貢献を目指します。
どんな点が心配か?っていうと・・例えば、上記はANAが発表したANA NEO設立の狙いなんですが・・。
赤太字の部分を読んでいただきたいのですが・・「ビジネスモデルのデジタル化」とか「リアルを超える体験消費ニーズに応える」「『地産外商』による地域創生」とか書かれてますが、これ、具体的にイメージできます??
なーんか、とにかく耳触りの良い言葉が並んでいますが、これ、中身が全く無くないですか??
極めつけが、最後の文章「リアルとバーチャルを融合させることにより経済発展と社会的課題の解決を両立するSociety 5.0の実現への貢献」って、私ならこんな文章即座に却下しますね。
だって、綺麗な言葉を並べただけで、何がやりたいか全然意味わかんないですもん。
イメージ先行の頭でっかち、中身のない口だけコンサルタントか!!って感じです。
もちろん、世界的にも著名なプロデューサーなど開発陣は非常に立派だと思いますが、この発表内容では・・。
個人的には、あまり期待はできないような気がしますね。
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バーチャル旅行で満足できるか
そもそも、人間って本当にバーチャル旅行で満足できるもんなんでしょうかね?
旅行に行けば、その地でしか感じられないもの・・温度、湿度、におい、空気、音、食事(味)、流れる時間、高揚感、水の冷たさ、言葉の違い、雑踏、ボッタクられるかも!ってドキドキ感(笑)・・そんな旅行でしか感じられないものが様々あり、だからこそ旅行は素晴らしいんだと思います。
もちろん、それらも感じられる究極のバーチャルを創り上げるのが目的なのかもしれませんが、どこまで行っても、やはりバーチャルはバーチャルなんじゃないでしょうかね?
というか、バーチャル旅行ということならGoogleMapなどでもある程度観光地は歩けますし(笑)、空港で買えるお土産なんて、今なら通販サイトで普通に買えますからねぇ・・。
また、バーチャルで満足できるなら、ANAさんの本業であるフライト(旅客)事業って、要らなくなるの?ってのも、気になるところです。
バーチャルでは満足できないから、リアルの旅行への誘客を目指す!って言うなら、逆にバーチャルで金とれるの?って気もしますしね。
ということで、新型コロナや、その他さまざまな理由で旅行に行けない!って場合の代替策としては一定の需要があるのかもしれませんし、ANAさんの強みを生かした狙いとしては理解できますが・・。
2025年度までの累計売上高で約3,000億円を目指すってのは・・ちょっとぶち上げ過ぎの気もしますね。
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ANA NEOは成功するか?
以上、ANA NEOの事業内容と、バーチャルトラベルプラットフォーム「SKY WHALE」の概要をご紹介しました。
正直、プレスリリースだけ見た感じだと、全く成功しそうに思えない(笑)のは、私だけでしょうか??
まず一番気になるのが、なんか流行りの言葉を並べただけでサービスに中身がないこと。
ただでさえコンセプトレベルで既に中身が無いのに、バーチャルトラベルとバーチャル物販事業という専門外の事業で、フライト(旅客)事業を主とするANAさんが勝ち抜いて行けるとはとても思えないんですが・・。
だって、Googleとかの名だたる企業も参入している分野ですからね?ほんとに勝ち目あります??
個人的には、ANAさんの強みであるホスピタリティ、安全や定時運行など、地に足がついたサービスの方が良い気がするんですけどね。
というのも、あまり言いたくはありませんが・・例えばANA Payって、どこに行ったんでしょうね?あまり普及しているようには思えませんが・・。
それから、「ANA Phone」っていうソフトバンク回線を利用したMVNO(スマホ通信回線)サービスがあるんですが・・これ、実は2021年11月30日でサービスを終了します。
このように、ANAさんの本業以外のサービスって、コンセプト倒れであまり上手くいってないんですよね。
一方で、新型コロナにより確かにビジネスでの移動需要は減少するかもしれませんが、上記に述べたような理由から、旅行の需要はコロナさえ終息すれば必ず復活すると思います。
ANAさんには、妙な多角化で本業を傾かせるのではなく、本業のサービスを維持できるような、事業体制の再構築の方を優先してほしいな・・・と本気で思います。
ということで、「多分うまくいかないから、本業に集中しようよ!」という、私の心の声を中心にお伝えしました(笑)。
それだけ、ANAさんのフライトが好きなんです(笑)。
そして、そんなバーチャル旅行事業ではなく、リアルでのフライト(旅客)の復活を期待し、リアルでのフライト事業の一層の充実の方に期待している方の方が何倍も多い!ってことも、是非知ってほしいな・・と思います。
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