新型コロナ禍による超絶経営不振に陥ったANAが、不振脱却のための多角化戦略の一環として新たにサービスインした「ANA Pay」。
いわゆる「Pay」系の電子マネーサービスなわけですが、これどんなメリットがあるのか?使える店は一体どんなところなのか?上級会員も目指せるって聞いたけど、どういうことなのか??
こんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
ANAマイラーなら基礎知識として(笑)理解しておくべき、ANA Payについて解説します。
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目次
ANA Payとは

この記事でご紹介するANA Payとは、ANAマイレージクラブのモバイルアプリから利用できる、モバイルペイメントサービス(電子決済サービス)です。
「Pay」という名前からもお分かりのとおり、「PayPay」や「au Pay」などのようないわゆる「Pay」系のサービスですね。

使い方は非常に簡単。
事前にクレジットカードで残高チャージを行っておくことで、その残高の範囲内で、ANAマイレージクラブモバイルアプリ上でQRコードを表示させ、店舗等での決済に利用することができます。
この決済(お支払い)200円ごとに1マイルが積算されます。
なお、残高チャージができるクレジットカードは、JCBカード限定となっています。というか、実はこのANA Payは当然?かも知れませんが、ANAにはこっち方面(スマホアプリ&電子決済)の(笑)技術力があるわけではないため、ANAが自社独自開発したサービスではありません。

JCBが提供している、QR・バーコード決済スキーム「Smart Code」に完全に相乗りしているんです。つまり、JCBのSmart Code決済同等サービス・・ってことなんです。
このため、前述のとおりこのANAPayへの残高チャージはJCBカード限定ですし、支払いができるのも、このSmart Code対応の店舗限定となっています。
そしてこのSmart Code対応の店舗限定って言うのが結構くせ者で・・正直、まだそんなに多くないんですよね。
- スマホのANAアプリ上で利用できる、モバイルペイメント(電子決済)サービス
- 200円の決済で1ANAマイルもらえる(マイル還元率0.5%)
- チャージできるのは、JCBカードのみ
- 利用できるのは、JCBの「Smart Code」対応店舗のみ
ここまで解説した、ANA Payの概要をまとめたものがこちらです。
マイル還元率は0.5%ですから・・正直これだけでは全く魅力的ではありません。また、ANA Payに残高チャージできるのはJCBカードだけ、また利用できる店舗はJCBの「Smart code」に対応した店舗のみとなっている点には、ご注意ください。
ANA JCBカードでのチャージでもマイルがもらえる

ということで、なんと鳴り物入りでサービスインした「ANA Pay」なのに、実は200円で1ANAマイル、つまり還元率0.5%って・・。
はっきり言って超絶ショボすぎるので本当にこれだけなら解説終了するところなんですが・・。
さすがに、これで終わりとかそんなことはありません(笑)。
同じJCBカードでも、ANA JCBカードでチャージをすることで、さらに追加マイルがもらえるんです!!
・・というか、前述のとおり普通に利用していては200円で1マイル・・つまり200万円利用してやっと10,000ANAマイルしか貯まらないので、正直、ANA JCBカードでのチャージを組み合わせないと、ANA Payに利用価値はありません。
ちょっと厳しめですが、これは断言できてしまいますね。
種別 | 決済マイル | チャージマイル | 還元率 | 年会費 |
一般 | 5 | 1 | 0.6% | 約1,000円 |
ゴールド | 5 | 6 | 1.1% | 約10,000円 |
プレミアム | 5 | 11 | 1.6% | 約77,000円 |
そして、各カード種別ごとの、1,000円をチャージし、利用した場合の獲得マイルと還元率が上記の通りですが・・。
ゴールドカードで、やっと還元率1.1%なんですよ。
ANAワイドゴールドカードで、わざわざANA Payを利用せず、普通にカード決済した場合の還元率が1%ですからね??
ANA Payで決済した場合の差はなんと驚愕の・・たったの0.1%。ほとんど、ANAJCBワイドゴールドでの決済時との還元率の差が無いんです。
ゴールドカードを普通に利用した場合と比較しても、少し毛が生えた程度の還元率って・・。これ、利用価値ありますかね??プレミアムカードですと還元率1.6%まで行きますが、ANA JCB プレミアムカードの年会費は77,000円(税込)ですからね(笑)。
ANA JCBカードでチャージしないとそもそも還元率的に低すぎなんですが、ANA JCBカードでチャージして、やっと・・まあ「普通の還元率」になるって感じなんです。
ということで、還元率的にはかなり微妙・・と言えそうですね。ANA Pay。
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Smart Codeの普及率がこれまた微妙

そして、あまり良くない情報はANAマイル還元率だけでは・・無いんですよね。
このANA Payが利用できるのは前述のとおりJCBの「Smart Code」対象店舗だけなのですが、このSmart Code決済の対象店舗が、お世辞にも多いとは言えないんです。
例えば、コンビニでSmart Code支払いに対応しているのは、上記の3つのコンビニのみ。主要コンビニではローソンだけです。
例えば私の自宅近く、職場近くにあるコンビニはたまたまですがファミリーマートとセブンイレブンなんですが、ファミマとセブンではSmart Codeは利用できません。
このように、そもそも利用できる店舗が少ない!!ってのも、かなり致命的な弱点と言えそうです。
利用できる店舗の一覧はこちらに詳しく掲載されていますが・・正直、日常生活の決済を全てANA Payで!なんてことはほぼ不可能・・ってくらい、利用可能店舗は少ないです。
これはANAの責任というよりは、JCBの決済プラットフォームの抱える問題といえますが・・現実的には、利用可能店舗はかなり少ないです。残念ながら。
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ANA Payを使いまくれば上級会員になれる?

ここまでご紹介したとおり、ANA Payはマイル還元率的にも、そして利用可能店舗の数的にも、正直かなり微妙・・なサービスです。
ですが・・起死回生になりそうなサービスが・・あるんですよね。
それがこちら。「プレミアムメンバーステイタス獲得チャレンジ」です。
ANAのプレミアムメンバーサービス(ブロンズ/プラチナ/ダイヤモンド)は、これまでフライトを数こなすことで貯めることができるPP(プレミアム・ポイント)を獲得することでしか手に入らなかったんですが・・。
このステータスチャレンジの開始により、ANA PayをはじめとしたANAのサービスの利用とフライト(PP)組み合わせてプレミアムサービスが獲得できるようになりましたからね!
従前までのフライト(PP)でしか獲得できなかったこれまでに比べると、プレミアムステータス獲得方法の幅が広がりました。

このように、確かにANA Payの利用もプレミアムサービス獲得の条件の一つ(決済修行)にはなるんですが・・。
ただし、若干ハードルは下がりましたが(笑)、このANA Payの決済修行、まだハードルがかなり高いんです。
正直、ANAのプレミアム会員サービスはプラチナ会員以上が現実的な目標となり、ブロンズではあまり意味がありません。
そして、プラチナ会員資格にPP+決済で到達しようと思うと、なんと1年間で400万円以上の決済が必要となります。
400万円って・・ひと月の平均利用金額が、均等割りして33万円ですからね??
前年から年間決済額が200万円下がってはいますが、かなりの利用額ですので・・。
どんなご家庭をターゲットにしているかわかりませんが・・月間33万円のANA Pay利用って、これ、かなりのハードルだと思います。
ということで、確かにANA Payの決済でも上級会員資格には到達するルートはできましたが・・正直かなりのハードルですので実際には利用できる方はごく一部・・って感じだと思います。
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ANA Payのメリットは?

以上、ANA Payの概要とANAマイル還元率、使えるお店・・さらにANA Payを利用しまくることによる上級会員資格獲得への道のりをご紹介しました。
で・・正直なところのANA Payの評価・メリットですが・・。
ANAマイル還元率的にも、使えるお店の数的にも・・いろんな観点から評価しても、正直なところメリットはほとんどない。と言っても言い過ぎではないと思います。
これは私がANAさんに頑張ってほしいからあえて厳しく書いているってことはお分かりいただければと思いますが、さすがに競争の激しいいわゆる「Pay」系サービスでこの内容では・・。
かなり厳しいですよね。
ANAマイル還元率的にもゴールドカードで1.1%と普通にANA JCB ワイドゴールドカードを利用するのとほぼ変わらないにも関わらず、利用できる店舗が滅茶苦茶少ないですからね。
新型コロナ禍で航空事業以外の事業の多角化を進めたいという意図は分かりますが、さすがにこれは厳しいのではないでしょうか。会社が利用を広げたいサービスをとりあえず開始すれば、ロイヤルユーザーが勝手に利用してくれる・・って時代ではありませんからね。
ANA Pay・・このままANAがテコ入れをしないと絶対に埋没すると思います。ANAの次なる一手を、楽しみに待ちたいと思います。
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