ANAがハワイ路線に満を持して投入した超大型機材A380。
ANAのハワイ路線で初となるファーストクラスの設定や、多目的ルーム、バーカウンターの設置など、ANAの気合を感じる内容となっています。
そして、特に家族連れの方を中心に気になるのは、国内の航空会社では初となる「ANAカウチ」シートの設定ではないでしょうか。
エコノミークラスの料金に、追加料金を支払うことで利用できるので、ビジネスクラス利用のように極端に高い価格というわけではありません。にも関わらず、大人が横になるのは少し苦しいものの、子どもなら横になって休むこともできそうなので、子連れにはかなり魅力的なシートですよね。
この記事では、このA380に設定されるANAカウチシートの使い方と追加料金、さらには気になる予約方法を徹底解説しています。
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カウチシートとは

カウチシートとは、このようにエコノミークラスのシートのシート下のレッグレスト部分が下からせりあがってくることで、あたかもベッドのようなフラットな空間を作ることができる構造のシートのことです。
シート自体もいわゆる「ベンチシート」になっているので、凹凸がなくフラット。快適に横になることができる、というわけです。

ANAの公式発表では、3人掛けシートの場合、このように子ども1人+親1人の添い寝の使い方を提案しています。

一方の4人掛けシートでは、両親が両サイドに座り、真ん中2列に子どもが横になるスタイルを提案。

小さい子どもなら、真ん中2列に子ども2人くらいなら横になれます。
が、何となくお分かりのとおり、このカウチシートの場合、定員通りの人数が座ってしまうと横になれるスペースがなくなってしまうので、カウチシートの意味がありません。
カウチシートは、定員以下の人数で占有する、つまり「シートの貸切料金込みで利用する」のを前提としたシートである、と考えておく必要がありそうです。
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ニュージーランド航空の使い方提案
世界に先駆けてこの「カウチシート」を導入した、ニュージーランド航空の使い方提案を参考までに見てみましょう。(※画像はすべてニュージーランド航空のHPからお借りしました)

まずはこれが王道でしょうか。4人家族で3席×2列のカウチシートを占有する使い方です。
これならかなりゆったりと横になって寝ながら飛行機の旅が満喫できそうです。お金を払う価値がある使い方ですよね。

小さい子連れの場合、こんな使い方ができます。子どもも親もぐっすり安眠できそうです。

ちょっと贅沢に、大人1人で3席をそのまま占有するというこんな使いかたもありですが・・満席の場合などはちょっと顰蹙を買いそうです。

大人2人の場合・・ちょっと、いやかなり無理があります。
4列シートでも横に長くなるだけで縦方向のピッチは変わらないので、大人2人が横になるのは難しいと考えた方がよさそうです。
小柄な二人ならありなのかもしれませんが・・大人二人でのカウチシートの利用は、周囲の視線も含め、かなり難易度の高い使い方だと思います。
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カウチシートの席数

A380に設定されているカウチシートの席数は、3列シートが6列×2=12列の36席、4列シートが6列の合計24席、全部で60席です。
カウチシートの場合、基本的にはその列全部家族orカップルで貸切での利用が原則のような形になるので、席数60席、というより合計18列分のカウチシートがある、と考えておいた方が、分かりやすいでしょう。
1機当たり18組の家族orカップルが利用できるのですから、十分な数だと思います。というか、多すぎるくらいかな?ってイメージですね
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カウチシートの料金

ANAカウチシートが、子連れ旅行に威力を発揮しそうなことはお分かりいただけましたでしょうか。
では、肝心の価格はお幾らなんでしょうか。前述のとおり、そもそもシートぴったりの人数で占有してしまうと寝転ぶスペースが取れませんので、3人掛けを2人で占有、4人掛けを3人で占有、といった使い方が想定されます。
早速、カウチシートの価格を具体的な使用例とともに確認していきましょう。
3席シートの価格

まず、3席シートの価格からです。
上記のとおり、使い方によって9,000円から169,000円と、かなり価格のブレ幅が大きくなっています。
3席シートを3人で利用する場合(占有座席0)【一律9,000円】
この3席シートを3人で利用する・・つまり定員通り利用する場合の価格はロー/ハイシーズンともに9,000円です。
ただ、3席シートは4席シートに比べるとやはり絶対的にスペースが少ないので、9,000円の価値があるか・・・というと??って感じでしょう。
大人2名+子ども1名の場合、フラットなスペースがあっても結局座ってるしかないので、フラットな座面のメリットがほとんどありません。
大人1名と、加えてものすごく小さい子ども・・といっても航空券料金が掛かる2~3歳くらいの子ども2人連れ・・くらいしか利用するイメージは湧きませんね。
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3席シートを2人で利用する場合(占有座席1)【19,000円/49,000円】

この3席シートの利用方法として可能性が最も高いのは、3席を2名で利用・・つまり、1席分の占有料金を支払うという使い方です。
イメージとしては・・こんな使い方ですね。

さらに、親子4人の場合2列を占有すればかなりゆったりと利用することができます。
これなら、かなり快適に利用できると思います。そして、この座席占有料金が1列あたりローシーズンで19,000円/ハイシーズンで49,000円となっています。
ただこれ、当然ながら片道運賃です。
ローシーズンの19,000円なら、上記のように2列占有しても38,000円ですので片道くらいなら何とか検討の俎上に乗る料金ですが、ハイシーズンの49,000円はさすがに・・ちょっと手が出ませんね。
だって、ハイシーズンで親子4人で2列使ったら98,000円・・・。高すぎです。かなりゆったり感はありますが、ローシーズン限定で利用・・という感じでしょうか。
3席シートを1人で利用(占有座席2席)【59,000円/169,000円】

そして、上記のように3席を1人で独占する利用方法、つまり2席を占有する場合は、驚異的な価格設定になっています。
なんと、ローシーズンで59,000円/ハイシーズンでは169,000円です。ハイシーズンで上のような使い方をしたら、なんと2列で驚異の338,000円ですよ!!
ハイシーズンの1列で169,000円という価格設定は・・・実質、3席シートを1人で使うのはお断り、という価格設定ですね、これ。この金額を出せばプレミアムエコノミーはもちろん、ビジネスクラスにも手が届くような金額ですもんね。
ちなみに、エコノミーとプレミアムエコノミーの価格差は片道3~5万円くらい、エコノミーとビジネスクラスの価格差は片道10万円~15万円くらいです。
どれだけ驚異的な価格設定か、おわかりでしょうか?私なら、この金額出すならビジネスクラスですね。
4席シートの価格

次に、4席シートの価格を確認しましょう。
これまた、12,000円から252,000円!!という、かなり特色のある価格設定になっています。
4席シートを4人で利用する場合(占有座席0)【一律12,000円】

4席シートを定員の4人で利用する、つまり座席の占有無しで利用する場合の価格は、ハイシーズン/ローシーズン変わらず12,000円です。
ただ、3席シートとは違い、4席シートはかなり横に長いので、これ、結構使えるシート設定です。
ANAはこんな感じの使い方を提案しています。真ん中に子ども2人寝かせる、という使い方も未就学~幼稚園児くらいならできるでしょう。
ちなみに、エコノミークラスのシートピッチ(横幅)は約45cm程度ですので、2席分だと90cmくらい。なお、前席との縦方向のピッチは約81センチあります。これだけあれば、小さい子ども2名であれば横になれるでしょう。
ただ・・これ、親は結構腰痛くなりそうですね(笑)。
4席シートを3人で利用する場合(占有座席1)【22,000円/52,000円】

これも、かなり利用価値の高い利用方法です。
例えばお父さんは自分の座席に着席したまま、ママと子どもは横になる・・もちろん、お父さんとママは逆でも良いのですが、そういう使い方もできそうです。
この場合、占有座席1で、価格はローシーズンで22,000円/ハイシーズンで52,000円です。
3人家族(子ども1人)とかの場合、4席シートを3人で利用すると、22,000円でフルフラットで4席占有できるので、3人家族には4席シートがおススメですね。
ただ、ハイシーズンの52,000円は・・・ちょっと高すぎますかね。
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4席シートを2人で利用する場合(占有座席2)【52,000円/172,000円】

次に、4席シートを2人で利用する場合です。
子ども連れで2人で利用する場合は3席シートの方がお得なので、想定するとしたら上記のようなカップル利用でしょうか。
ただ・・ご覧のとおりそうはいっても前後の間隔はエコノミークラスなので81cmのシートピッチしかありません。大人の体格で、2人が横になるのはほぼ不可能です。また、利用にはかなりの勇気が要ります。
そして、価格設定も超絶高価。ローシーズンで52,000円。ハイシーズンなら172,000円です。これまた、ハイシーズンでの2人利用はお断り!という価格設定ですね。
ローシーズンで、しかも予算的には片道限定という使い方でしょうか。
4席シートを1人で利用する場合(占有座席3)【92,000円/252,000円】

最後に、4席シートを1人で利用する方法です。
4席シートを1人で利用するのは、実は意外に快適です。3席を選ぶんだったら、実は4席の方が絶対に快適だと思います。

というのも、上記は3席シートを1人で利用する場合の使い方提案ですが、これ、右の男性をよくご覧ください。膝が曲がってますよね?
3席シートの場合、シート1席あたりの横幅がそこまでない(42~45cmくらい)ので、3席分足し合わせても全長140cm程度しかありません。これが4席になれば、全長180cm強近くになるので、大人の男性でも本当に足を伸ばして眠れます。
ただ、これ、価格が半端ありません。ローシーズンで92,000円、ハイシーズンの場合252,000円・・・。
ハイシーズンは、4人座席を1人で使わせない!という価格設定です。
ハワイ便の場合、ハイシーズンでもエコノミーとビジネスクラスの差額は約10~15万円くらいですので、ローシーズンでもそれだけの価格差ならビジネスクラスに乗った方が「マシ」ですね。
占有座席1席あたりの単価は
シート | 時期 | 1席占有 | 2席占有 | 3席占有 |
3席 | ロー | 19,000円 | 24,500円 | ー |
ハイ | 49,000円 | 84,500円 | ||
4席 | ロー | 22,000円 | 26,000円 | 30,666円 |
ハイ | 52,000円 | 86,000円 | 84,000円 |
さて、ここまで見てきたANAカウチシートの価格設定を「占有座席1席当たりの単価」の軸で分析したものがこちらです。
ご覧になっていただいてお分かりのとおり、占有座席が多くなればなるほど1席占有あたりの単価が高くなるように設定されています。
そして、ハイシーズンの場合、2席以上の占有については基本的に利用を想定していない・・という価格設定だと読み取ることができます。
エコノミーとプレミアムエコノミーの差額がおおむね片道3~5万円、そしてエコノミーとビジネスクラスの差額がおおむね片道10~15万円程度と考えると、いくらフラットになるとはいえこの価格設定ではさすがに購入は躊躇してしまいますよね。
ハイ/ローシーズンの設定は

ちなみに、こちらが2019年のハイ/ローシーズンの設定表です。
ハイシーズンは実はそんなに長くはありませんが、夏休み前半や年末年始など、家族連れ旅行には実はビンゴな時期になっています。
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シチュエーション別おススメの利用方法
家族4人連れの場合
家族4人連れの場合のおススメの利用法は下記の2パターンです。
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順に、確認していきましょう
①家族4人:子どもがかなり大きい場合

まず1つ目のおすすめは、子どもさんがもうかなり大きい場合。
この場合は、上記のとおり3席シートを1席占有し、2列確保できるのが理想形ですね。
ローシーズンなら、19,000円×2=片道38,000円でかなり快適に過ごすことができます。ただ、ハイシーズンだと2列で98,000円もするので、やめた方が良いでしょう。
②家族4人:子どもがまだ小さい場合

子どもさんがまだ小さい親子4人連れの場合は、上記のとおり4席を4人で利用するのがおすすめです。
上の絵では真ん中に1人だけしかいませんが、前後幅は約81cmありますし、シート2つ分の横幅は約90cmありますので小さい子どもさんなら2人くらい横になれるでしょう。
しかも、価格はローシーズンでもハイシーズンでも一律12,000円です。子どもが小さい場合は、これが絶対のおすすめですね。
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家族3人連れの場合

家族3人連れ(親2名、子1名)の場合、上記のとおり4席シートを3人で利用して、1席占有する使い方しかほとんど選択肢はありません。価格はローシーズンで22,000円、ハイシーズンで52,000円です。
何しろ3席を3人で占有しても横幅はかなり限られてきますので、フラットになる意味がないんですよね。
ただ、親1名、子ども2名の場合は3席シートでも良いと思います。
カップルの場合

カップルの場合は、3席シートを1名で利用(占有座席2席)×2列が理想形ですが・・・ローシーズンでも片道10万円超の占有料金が発生しますので、これはあまり現実的ではありません。
この使い方をするくらいなら、大人しくプレミアムエコノミーに乗った方が良いですね。エコノミーとプレミアムエコノミーの差額は1席3~5万円程度ですので、片道でほぼ往復分のエコノミーとの差額が賄えます。

後はまあ、これをやるかですが・・・。ちなみにこれ、なんか以外にできそうですが、実は全然寝れないですよ。寝返り一つできないので逆に苦痛です。
ちなみにこのパターン(カウチシートを2人で占有)の場合、ローシーズンで3席シートの1席占有で19,000円。4席シートの2席占有で52,000円です。
でも、ちょっと日本人的なメンタリティでは、周囲の視線に耐えられないですよね・・。まあ、ハネムーンカップルとかはありかもしれませんが・・・
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スカイカウチシートはエコノミーより前後のピッチが狭いので注意!

ちなみに、ANAのA380のエコノミークラスのシートピッチは34インチ(約86cm)ですが、ANAカウチは32インチ(約81cm)なんです。
なんと、通常座席よりも5cmほどピッチが狭くなっています。
このため、普通に座って旅行することを想定している場合、カウチシートのメリットはほとんどないと思ってください。
フルフラットのメリットを最大限享受するために、横になれるスペースがあるか?横になるのはだれか?ここをよく想像してから、予約することが肝心です。
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ANAカウチシートの予約/支払い方法

では、このANAカウチシートですが一体どのように予約するのでしょうか。そして支払いは?ANAマイルでも支払いできるのか?
気になる点だと思いますので、簡単に解説していきます。
まず、ANAカウチシートは運賃には含まれません。運賃としてではなく、座席指定料金として徴収されます。
「座席指定料金として徴収される」。ここがANAスカイカウチの予約/支払いの一番のポイントですね。このため、カウチシートの予約は上記のとおり事前座席指定時に行うことになります。

実際の予約画面は上記のとおり。
上記のケースでは1名の予約で3列シートを確保していますので、59,000円の座席指定料金が掛かる計算になります。
ANAカウチの座席指定料金の支払いはクレジットカードまたはPayPalのみ。スカイコインやマイルは使えない!

そして、ANAカウチの料金は「座席指定料金」になりますので、支払いはクレジットカードまたはPayPalでの支払い限定になります。
運賃なら、ANAスカイコインやマイルでの支払いができるんですが、運賃ではなく「座席指定料金」の扱いになるので、SKYコインなどでの支払いはできないんですよ。

上記のとおり、ANAスカイコインで充当できるのは、航空券代だけです。ANAカウチの座席指定料金は、別途クレジットカードもしくはPaypalで支払う必要があります。


マイルでの特典航空券の場合、そもそも特典航空券予約時にはANAカウチのシートは座席指定ができません。
特典航空券でのANAカウチシートの利用は、特典航空券発券後に別途座席指定することで利用できます。もちろん、支払いはクレジットカードもしくはPayPalのみです。
ANA陸マイラーにとって、カウチシートがマイルやスカイコインでは利用できない・・というのは若干残念ですね。
まとめ
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ANAカウチシートの全貌をまとめたものが上記のとおりです。
正直、2席以上占有すると利用料金が馬鹿高くなってしまうので、0席占有もしくは最大でも1席占有までがお得な使い方と言えそうです。
0席占有もしくは1席占有で快適に使えるのは小さいお子さんをお持ちの3人~4人家族が限界ですので、ANAカウチはやはり家族連れ御用達のシートと言えそうです。
ANAマイラーであれば、これだけの持ち出しの金額を積むようであればプレミアムエコノミークラスへの搭乗の方が現実的&快適に過ごせるかもしれません。
上記記事も参考に、納得できる価格でANAカウチを上手に利用してください。
年間50万マイルを貯める。陸マイラーのはじめ方はこちらから
【まずここからご覧ください】当ブログにアップされている、年間50万ANAマイル貯めて特典航空券をガンガン発券する方法、マイルの価値、そしてマイルの使い方は、以下にまとめています。順に読んで行くだけで、陸でマイルを貯める方法が誰でも簡単に理解できます。
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