ANAが、これまで国内線特典航空券では無料としていた、国内線旅客施設使用料(PFC)の有料化を発表しました。
これにより、これまでマイルを使えば「完全無料!!」で発券できていたANA国内線特典航空券の発券が、完全無料では行うことができなくなります。
この対応について「改悪」といえば・・それはまあ改悪なんでしょうが、やむを得ない事情というものも・・また垣間見えてくることも事実です。
ANA国内線特典航空券でPFCの徴収開始!その全貌に迫ります。
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目次
ANA国内線特典航空券でPFCの徴収開始
2021年1月12日(火)に・・ANAが発表した国内線特典航空券に係る制度変更(改悪?)がこちらですね。
これまで国内線なら完全無料で発券ができていた特典航空券ですが、以下を条件に国内線旅客施設使用料(PFC)の代行徴収が開始されるため、特典航空券であってもPFCの支払が必要となります。
これにより、特典航空券の「完全無料」発券はできなくなる・・ということになります。
- 2021年10月31日以降搭乗分(ただし、2021年8月29日までの発券分は無料)
- 対象航空券:国内線特典航空券(国際線特典航空券に含まれる日本国内区間を含む)
- 必要マイル数の減算の際に、クレジットカードで支払う
PFC代行徴収の概要がこちらです。
2021年10月31日以降搭乗分の国内線特典航空券(国際線特典航空券に含まれる日本国内区間を含む)に対してPFCが代行徴収されます。
また、猶予期間が設けられており、2021年8月29日までの発券分は、これまで通り無料です。2021年8月30日以降発券の、10月31日以降搭乗分から、正式に国内線特典航空券へのPFCが代行徴収が始まる・・ってことになりますね。
気になるPFCの料金がこちらです。
片道ずつ徴収されますので、例えば成田空港+中部空港を往復で利用した890円×2=1,780円程度/1人・・ということになりますね。
一方、最安の北九州空港+那覇空港の場合、往復で680円(小人の場合340円)です。
思ったより・・大改悪!ってほどではないですよね。ただ、個人にとっては小さくても、多くの方が利用すれば、当然それなりの金額になることが・・何となくわかりますね。
なおこのPFCは特典航空券の発券の際に、クレジットカード等で支払うことになります。
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国内線旅客施設使用料(PFC)とは?改悪なの?
では、この国内線特典航空券発券時の国内線旅客施設使用料(PFC)の徴収開始!って・・果たして本当に改悪なのか?についてもう少し深堀してみたいと思います。
そもそも国内線旅客施設使用料(PFC)とは、空港の整備に充てられる費用で、旅客施設使用料を設定している各空港管理会社に代わって、空港を発着する航空会社が徴収するものです。
このPFCは世界的にも一般的な費用で・・しかも、徴収するのはあくまで旅客施設使用料を設定している各空港管理会社です。ANAなどの航空会社は、代理で徴収する存在に過ぎません。
- 新千歳空港:新千歳空港ターミナルビルディング(株)
- 仙台空港:仙台国際空港(株)
- 成田空港:成田国際空港(株)
- 羽田空港:日本空港ビルデング(株)
- 中部空港:中部国際空港(株)
- 伊丹空港:関西エアポート(株)
- 関西空港:関西エアポート(株)
- 北九州空港:北九州エアターミナル(株)
- 福岡空港:福岡国際空港(株)
- 那覇空港:那覇空港ビルディング(株)
ちなみに、日本でPFCを設定し、徴収している空港(管理会社)は、上記の空港となります。
そしてこのPFC、日本では既に空港によっては2018年10月以前より徴収されている・・。
実は、有償国内線航空券を購入した際には、既に勝手に航空券料金に含まれている料金なんです。
国内線を有償購入する際、領収証の金額内訳や、上記のご利用のヒントには、実はこの「国内線旅客施設使用料(PFC)」について記載があり、実は既に徴収されていることに気づかれると思います。
つまり、この国内線旅客施設使用料(PFC)は、そもそもが航空会社ではなく空港管理会社に支払うお金で、これまで有償航空券では知らず知らずのうちに支払ってきたお金なんですよね。
ただ、例外的に特典航空券では「マイルで特典航空券を取ると無料!」という手軽さ?とマイレージ会員へのPR効果を期待して、これまであくまでANAさんがマイルで発券した国内線特典航空券に限り、我々に代わって負担してくれていた金額・・と言えます。
繰り返しですが、このPFCの設定・徴収者は各空港会社であり、その空港の受益者は我々乗客です。ANAさんは、そのPFCの代行徴収をしていたにすぎません。
つまり・・あくまでこの国内線特典航空券発券時のPFCのANAさんの負担は「好意」「ユーザーサービス」であって、本来は我々が負担すべきもの・・ということができるんですよね。
「いや、そうはいってもそもそも特典航空券の所要マイルにPFCが含まれていたんだから、改悪!!」といえばそこまでですが・・個人的にはちょっと違う思いを持っています。
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航空会社のサービス維持が最も大切
この国内線特典航空券発券時のPFCの自己負担をANAさんの「改悪」と見ることは簡単ですが、よくよく考えると、これって我々乗客が当然負担すべきものってのは、ここまでご紹介した通りです。
これまでANAさんの「好意」「サービス」でマイルに含めていただいていたわけですが、本来の形に戻るだけ・・と言えると個人的には思っています。
そして、その決断を下すくらい、ANAさんの経営には余裕がない状態ということでしょうから、ここは長い目で見て判断したいですね。
このPFC負担、前述のとおり「ちりも積もれば」で、実は結構な負担になっている可能性もあるので・・この分担を本来の形にし、受益者である我々乗客が分散して負担する。
そのことで、ANAさんの経営がちょっとでも楽になり、最悪の事態が回避できる。JALとの統合や経営規模の縮小、マイレージ制度の改悪などより大きい制度の改悪が回避できる。
その一助となるなら、それは長い目で見れば改悪とは言えないのではないのではないか・・と個人的には思います。
新型コロナでなんか国民間でもギスギスとしているというか、価値観の対立や批判が目立っていますが、こんな時ほど冷静に、そもそもの位置づけや狙いを踏まえ、長い目で見た判断をしたいですね。
ということで、このPFCの徴収は個人的には「そもそもそれが当然」であり、改悪ではないのではないか・・と思っています。
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