気づかれている方はまだ少ないかもしれませんが、ANAマイルで発券可能な提携航空会社特典航空券に係る重要な変更が行われています。
なんと、2020年6月15日(月)から、ANAマイルでシンガポール航空(SQ)運航便を含む特典航空券が予約できなくなっているんですよね。
新型コロナウイルスの感染拡大でビジネスでの渡航を含め海外旅行、海外渡航どころではないので、直接的な影響は軽微といえば軽微です。
ですが、何しろ一切予約ができないので、例えば1年先などの予定をダメもとで取っておくこともできないんです。
大量ANAマイル所有者にとっては、これ結構不便なんですよね。
シンガポール航空特典航空券が予約できない理由と、予約再開の目途を解説します。
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目次
ANAマイルでシンガポール航空特典航空券が予約できない理由

さて、ANAマイルでシンガポール航空の特典航空券の予約は、6月15日(月)から確かにできなくなっています。
ただ、これはできない理由を含め、別に「ひっそりと改悪」ってわけでもなんでもありません。
ANAの公式HP「提携航空会社特典航空券-ご利用条件」のページに、上記のとおりその理由とともに思いっきり掲載されています。
ANAマイルでシンガポール航空(SQ)運航便を含む特典航空券が予約できない理由は・・「シンガポール航空当局(Civil Aviation Authority of Singapore)の制限」となっていますね。
それでは、本当に予約できないのか実際に検索してみると・・。

このように既に確実に運航が発表されている便、また検索は可能ですが運航するかどうかわからない約1年後までの便を含め、空席の検索は可能ですが・・・。

予約は不可能です。
最終画面で、このようにエラーが表示されてしまうんですよね。
これ、単純往復か乗り継ぎ便を問わず、シンガポール航空便(SQ便)が含まれた旅程は全てNGでした。
もちろん冒頭記載した通り現時点では影響は軽微というか・・そもそも海外どころではないのでほぼ影響はないのですが、これ、長引くようだと結構厄介ですね。
何しろシンガポール航空の特典航空券はかなり使い勝手が良く、しかもビジネスクラスが超快適ですからね。
個人的には東南アジア方面の旅行時にANA便が取れない場合のファーストチョイスとして良く利用しますし、その他、シンガポール経由便もかなり使い勝手が良いので良く利用していたんです。
正直、一切予約できないのはかなり痛いです。
シンガポール航空当局の制限とは?

そして、気になるのがこの予約制限の理由となっている「シンガポール航空当局(Civil Aviation Authority of Singapore:CAAS)の制限」ですよね。
まず、「シンガポール航空当局(CAAS)」って何?ってことなんですが、シンガポールの航空行政を司る、シンガポール交通省の下に置かれた法的機関です。
要は、行政機関ですね。
そして、CAASが出した特典航空券の発券の制限ってこれいったいこれ何なの?どんな理由なの?ってことについてちょっと調べてみたんですが、正直そのものずばりの情報はありませんでした。

ただ、「これかな?」と推測できる情報はありました。
実は、シンガポールも日本と同じく新型コロナ感染症後の経済活動の「段階的な再開」期に入っており、2020年6月19日から経済活動再開の「フェーズ2」に移行しているんですよね。
そして、そのフェーズ2に移行する前提として、航空分野をはじめとする各分野が感染拡大防止のためのガイドラインを策定し、遵守することを求めています。
日本と進め方はほぼ同じ感じですね。

そして、シンガポール航空自体もこのシンガポール政府の方針に従い、2020年6月7日に独自の新型コロナ感染症予防に係るガイドラインを公表しています。

このガイドラインの内容については詳細はこちらもしくは上記リンク(PDF:日本語)をご参照いただければと思いますが・・。
これ、内容としては常識的ではありますがかなり細かいんです。
そして、これらのガイドラインのうちのなにかが、シンガポール航空の直接予約ではないANAの特典航空券では完全に順守できないため、「CAASの制限」により特典航空券が一時的に発券できなくなった。
そう考えるのが、時系列的にも自然かな・・と思いますね。

例えば、シンガポール入国時の「健康状態の申告」(3日前までの申告の必要あり)や「最新情報の受信」などについて、シンガポール航空に直接予約した場合はできても、ANA経由の特典航空券では徹底できないところなどがありそうですからね。
- 2020年6月7日 シンガポール航空が新型コロナ下でのガイドラインを公表
- 2020年6月15日 ANAがシンガポール航空の特典航空券発券制限を開始
- 2020年6月18日 シンガポールが経済活動再開に向けた「フェイズ2」に移行
シンガポール当局およびシンガポール航空の発表の時系列を追ってみても、なんとなく、想像通りのような気がしますね。
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特典航空券発券再開の見通しは?

さて、ではこの「CAASの制限による発券制限」の理由が私の予想通りだった場合、どのような条件が揃えば発券が再開されるのでしょうか。
- シンガポール航空の新ガイドラインにANA提携特典航空券が対応
- シンガポール航空の新ガイドラインがANA提携特典航空券に対応したものに変更
常識的に考えると、上記の条件がそろわない限り、ANAマイルでのSQ便特典航空券の発券は再開しそうにありません。
まず、①特典航空券の発券をシンガポール航空の新ガイドラインに対応させる・・そんな手間と労力を掛けるとはとても思えないですよね。
このため、実質的には新型コロナウイルス感染症が収束し、シンガポールの入国条件やフライト条件がコロナ前のいわゆる通常時もしくはそれに準ずるレベルまで下がり、ANA提携特典航空券でもシンガポール航空のルールに適応できるまで、発券の制限が続く・・ことも予想されます。
なんかこれ、他の航空会社便にも波及しそうで怖いですよね・・。

ANAとシンガポール航空は、2020年1月31日に戦略的包括提携契約の締結を発表するなど、そもそもが蜜月関係にある事業者です。
今後、既存のコードシェアを拡大しつつ、2021年ウインターダイヤからのジョイントベンチャー開始を目標にしていたところだったんですが・・。
新型コロナの影響で国家レベルでの検疫体制が強化されている中ですから、今回の特典航空券発券停止、これはやむを得ない措置だと思います。
そして、この発券停止、前述のとおり、もしかすると新型コロナウイルスの脅威が遠のくまでかなりの長期間継続するかもしれません。
2020年現在はまだまだ海外どころではないので我々旅行者への影響も軽微ですが、長期化すると実はちょっと・・いやかなりANAマイルの利便性の低下につながってしまう大問題だと思います。
これまた、今後も状況を注視したいですね。
シンガポール航空の航空券購入、シンガポール航空マイルでの特典航空券発券には影響なし

なお、誤解を避けるために簡単に申し添えておきますが、この制限はあくまで「ANAマイルでのSQ便の提携航空会社特典航空券発券」に対するものです。
当然ながら、シンガポール航空のマイレージプログラム「クリスフライヤー」での特典航空券は、問題なく発券できます。
また、直接有償航空券を購入することも可能です。
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シンガポール航空の特典航空券発券制限を注視!

以上、実は意外に厄介な、ANAマイルでのシンガポール航空便提携航空会社特典航空券の発券制限についてご紹介しました。
理由とされている「シンガポール航空当局による制限」が一体何なのか?については明確な情報は無いのですが・・。
状況証拠や時系列的には、シンガポールの国全体が経済再開に向けた「フェイズ2」に移行する際に設定したガイドラインに適合できないのではないか?と想定されます。
もしこの理由だとすると、ガイドラインの緩和もしくはガイドラインへの対応まで発券は難しいことになるので、発券再開にはかなり時間が掛かりそうですね。
ANAマイルを貯めてシンガポール航空のビジネスクラスに乗る!とか、チャンギ空港のシルバークリスラウンジに行く!というのはANA陸マイラーにとって大きな目標でもあったので、これはかなり気になる情報です。
何にせよ、発券再開はコロナ次第・・って感じですので、これまた状況を注視していきたいと思います。
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