ANAマイルを利用した特典航空券の発券ルールは、実はなかなか奥深いです。
通常のANA便特典航空券発券ルールに加え、スターアライアンス(提携航空会社)特典航空券の発券ルールのうちたった2つ理解しておくだけで、実は、特典航空券をこれまでの2倍以上お得に利用することが可能になるんです。
提携航空会社特典航空券の発券ルールは全て覚えきれないほど複雑ですが、この記事では、ANA陸マイラーが絶対に覚えておくべき2つの提携航空会社特典航空券発券ルールと、このルールを裏技的に活用して国際線・国内線特典航空券を超絶お得に利用する方法を解説します。
ANA陸マイラーには必須のメソッドだと思いますので、是非覚えておいて有効に活用いただければと思います。
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目次
ANA特典航空券&提携航空会社特典航空券とは
ANAマイルを利用した特典航空券には、大きく2つの特典航空券種別と、発券ルールが存在します。
それが、上記「ANA国際線特典航空券」と、「提携航空会社(スターアライアンス)特典航空券」です。これ、それぞれ発券ルールが微妙に異なるんですよね。
スターアライアンス提携航空会社は、上記のとおりです。
旅程のうち、1区間でも上記スターアライアンス(提携航空会社)のフライト(以下、「提携航空会社特典航空券」と表記)が含まれる場合、「提携航空会社特典航空券ルール」が適用されます。
一方、特典航空券のフライトがANA便だけの場合、ANA国際線特典航空券発券ルールが適用されます。
この記事でご紹介しているのは、この「提携航空会社特典航空券」ルール適用時の超絶お得な特典航空券発券方法です。
では、どんなルールが異なっているのか?その違いの一番分かりやすい例が、例えば特典航空券の所要マイル数です。
下記は、日本出発の各目的地別の所要マイル数のチャートです。ちなみに、ANAのチャートはレギュラーシーズンのマイル数を表示しました。(※提携航空会社特典航空券にはシーズンの設定はありません。)
目的地 | クラス | ANA | 提携 | 所要マイル差 |
韓国 | Y | 15,000 | 18,000 | 3,000 |
C | 30,000 | 33,000 | 3,000 | |
F | – | 54,000 | – | |
東南アジア | Y | 20,000 | 23,000 | 3,000 |
C | 40,000 | 43,000 | 3,000 | |
F | – | 69,000 | – | |
その他アジア | Y | 35,000 | 38,000 | 3,000 |
C | 60,000 | 63,000 | 3,000 | |
F | 105,000 | 114,000 | 9,000 | |
ハワイ | Y | 40,000 | 43,000 | 3,000 |
C | 65,000 | 68,000 | 3,000 | |
F | 120,000 | 129,000 | 9,000 | |
北米 | Y | 50,000 | 55,000 | 5,000 |
C | 85,000 | 90,000 | 5,000 | |
F | 150,000 | 165,000 | 15,000 | |
欧州 | Y | 55,000 | 60,000 | 5,000 |
C | 90,000 | 95,000 | 5,000 | |
F | 165,000 | 180,000 | 15,000 | |
オセアニア | Y | 45,000 | 50,000 | 5,000 |
C | 75,000 | 80,000 | 5,000 | |
F | 135,000 | 150,000 | 15,000 |
※Y:エコノミー、C:ビジネス、F:ファースト
スターアライアンス特典航空券の場合、ANA国際線特典航空券に比べ、アジア~ハワイの中~近距離路線で3,000~5,000ANAマイル、長距離路線で5,000~15,000ANAマイルほど、所要マイルが多くなります。
ただし、この多くなる所要マイルを上回る超絶メリットが、スターアライアンス特典航空券にはあるんです。
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絶対に覚えておくべき提携航空会社特典航空券の2つのルール
それでは、早速超絶メリットが存在する、絶対に覚えておくべき提携航空会社特典航空券の2つのルールをご紹介します。
そしてこの発券ルール、もちろん2つどころではなくものすごく複雑なんですが、全て覚えておくのは正直現実的ではありません。ANA陸マイラーが絶対に覚えておくべきルールは、以下の2つだけです。
- 途中降機:目的地以外に往路・復路いずれか1回可能
- 乗り換え:日本国内で往路・復路各2回まで可能。さらに日本以外で往路・復路各2回まで可能
この2つのルール、実は無限の可能性を秘めたルールなんです。
この2つのルールを上手く活用することで、普通は考えもしない、以下の2つのフライトを追加した特典航空券が発券可能になります。
- 途中降機:国内・海外旅行先が、もう1つ追加できる
- 乗り換え:海外旅行に国内および海外「おまけフライト」が追加できる
これ、一体どういうことなのか?実際の利用方法を解説していきます。
途中降機ルール:国内・海外旅行先をもう1つ追加できる
まず、超重要なルールがこの途中降機(24時間を超える降機滞在)ルールです。
ANA | 提携航空会社 | |
途中降機(日本国外) | 不可 | 往路・復路それぞれ1回 |
上記のとおり、提携航空会社特典航空券に限り、途中降機(24時間を超える降機滞在)が目的地以外に往路・復路1回可能なんです。
ANA特典航空券では、日本発便の場合は途中降機はできません。(ただし海外発便の場合は、1回に限り可能)
途中降機のメリット
- 日本国内のフライトを追加できる!
- 海外旅行の目的地を2つに増やせる!
このルールをうまく活用すれば、「国内・海外旅行先をもう一つ追加できる」、つまり日本国内のフライトを1つ追加できたり、海外旅行の目的地を2つに増やせるんです。
一体どういうことなのか?まず、日本国内の例からです。
- 名古屋~グアム
- グアム~名古屋
- 名古屋~札幌(365日以内の日程でフライトを追加可能)
例えば、上記のような例ですね。
これ・・えっ?と思われるかもしれませんが、名古屋が自宅の場合、例えばグアムに単純往復した後、なんと旅行開始日から1年以内であれば、名古屋から日本国内のフライトを1つ追加できるんです。
この旅程は「同一国内であれば最終帰着地が異なっても可」そして「途中降機1回可」のルールが適用されています。
つまり、「名古屋からグアム行き、最終帰着地札幌のフライトで、名古屋で24時間以上の途中降機を1回した」と解釈されている、ということです。
実際に発券できるか?同様の事例で検証してみました。
東京発ソウルの往復で、365日以内の全く関係ない日に1度福岡のフライトを追加しています。
もちろん、追加のフライトは今回事例として福岡を選択しましたが、福岡に限らず日本全国空席があるフライトを追加できます。
これ、帰路の確保が必要にはなりますが、LCCとかなら片道でかなりお安く予約できるので、特に行きたい旅行先があった方などとっては、追加しておいて全く損が無いフライトだと思います。
次が、海外の例です。
このルールを利用すれば、全く関係のない海外旅行先に、複数日(24時間以上)滞在する特典航空券を発券することが可能になります。
- 東京~フランクフルト(24時間以上滞在)
- フランクフルト~バンコク(24時間以上滞在)
- バンコク~東京
こんな感じですね。
4月9日~15日までフランクフルトに、そして16日から19日までバンコクに滞在できているのはお分かりでしょうか?
この24時間以上の滞在可能な都市は、同じエリア内には限らず、どのエリアでも1回まで24時間以上の滞在が可能です。このため、ヨーロッパ内の2都市に24時間以上滞在する周遊特典航空券なんてのも発券できるわけです。
例えば、ウィーンとバルセロナという超観光都市に、それぞれ24時間以上滞在できていることがお分かりでしょうか?
この「途中降機(24時間以上の滞在)が目的地以外に1回可能」というルール、提携航空会社特典航空券にしか適用されません。
これは是非覚えておいて、有効に活用してください。
乗換ルール:国内・海外「おまけフライト」が追加できる
次にご紹介する、超絶重要なルールがこの「乗り換え」ルールです。
なんと提携航空会社特典航空券の場合、乗り換えが日本国内で往路・復路各2回まで、さらに日本以外で往路・復路各2回可能です。
- 飛行機の乗換のための24時間以内の降機
まず、「乗換」の定義を確認しておきましょう。
乗換は「途中降機」(24時間以上の降機)とは違い24時間以内の乗換のことを指します。
- ANA特典航空券ルール:日本国内で往路・復路各2回まで
- 提携航空会社特典航空券ルール:日本国内で往路・復路各2回+海外で往路・復路各2回まで
そして、乗り換えのルールがこちら。
提携航空会社特典航空券なら、日本国内および海外で往路・復路各2回まで乗換が可能です。
しかしながら、ANA特典航空券の場合、海外での乗り換えはできません。
提携航空会社特典航空券だけが持つ「海外での乗換が2回まで可能」というルールが、滅茶苦茶重要なんです。
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海外での乗換2回まで可能ルールの活用方法
このルールを活用することで可能となるのが、海外の「おまけフライト」の追加です。
- 名古屋~シンガポール
- シンガポール~香港
- シンガポール~東京
- 東京~ソウル ←おまけフライト
- ソウル~名古屋 ←おまけフライト
例えば、おまけフライトの例が上記のとおりですね。
名古屋発、シンガポールの旅程で、香港経由東京に一旦帰ってきた後、ソウル経由名古屋行きのフライトを追加できるんです。
こんな感じの旅程になりますね。
これ、ちょっと分かりにくいんですが、「名古屋~シンガポールの往復旅程で、復路に国内1回(羽田)、国外2回(香港、ソウル)」での乗り換えを行った、と解釈されます。
こんなことして何の意味があるの?と思われるかもしれませんが、これよく見てください?全部ビジネスクラスの予約ですよね?
これ、本来なら東京~名古屋は国内線で移動するべき旅程なんですが、なんと国内線代わりに国際線ビジネスクラスが利用できるってことなんです。
ただ、なんでこんな旅程が組めるのか?正確に理解するためには、もう少し解説しておくべきルールがあります。
もう少し、お付き合いください。
乗換に関し覚えておきたいTips
ここまでご紹介した乗り換えに関するお得なルールをより正確に理解するために、重要なTipsを簡単にご紹介します。
それが、「乗り換え地点のエリア制限ルール」と、「乗り換え地点のマイル制限ルール」です。
この乗り換え地点の制限ルールを理解することで、スターアライアンス特典を利用した特典航空券の予約の可能性は、飛躍的に高まります。
乗り換え地点のエリア制限ルール
このルールは、上記の表をご覧いただければわかりやすいかと思います。
この表は、出発地と目的地の間の乗り換え制限の相関関係を表したものです。例えば、上記赤枠内をご覧ください。
エリア3は、日本を含むアジア地域+グアムなどのリゾート地域です。
出発地がエリア3で、目的地がエリア3の場合、エリア1(北米・中米・南米・ハワイなど)およびエリア2(欧州・中東・アフリカなど)は「乗り換え制限エリア」・・つまり、乗り換えはできない、と読むことになります。
これ、当たり前ですよね。目的地が近距離(アジア)なのに、そんな遠距離(北米等)での乗り継ぎは不可能なのは当たり前です。
が、実はこれが超重要な意味を持つんです。
これ、逆に読むと、目的地のエリア内(例:エリア3とエリア3の中)であれば乗り換え地点の制限が無い。つまりエリア内であれば自由に乗り換え可能ってことなんです。
ただ、この説明でもまだ真理にたどり着くにはもう一歩説明が足りません。さらに解説を続けます。
乗り換え地点のマイル制限ルール
さあ、最後の重要ルールがこちら、乗り換え地点のマイル制限ルールです。
このルールも、上記の例を見ながらの方が分かりやすいでしょう。
ここでのポイントは、赤枠内です。乗り換え地点から目的地までの必要マイル数が出発地から目的地の必要マイル数を上回るような乗り換えはできない、となっています。
例えば、東京からソウルを経由してロサンゼルスへ行く乗り換えはできません。
この理由は、赤枠内のとおり、乗り換え地点から目的地までの必要マイル数が、出発地から目的地の必要マイル数を上回るからです。
出発地 | 乗り換え地点 | 目的地 | 所要マイル(Y) |
東京 | ロサンゼルス | 55,000 | |
ソウル | ロサンゼルス | 60,000 |
具体的に示したものがこちらですね。
東京から目的地であるロサンゼルスへの所要マイル数が55,000マイル。
乗り換え地点であるソウルからロサンゼルスへの所要マイルが60,000マイルですので、乗り換え地点から目的地までの必要マイル数が、出発地から目的地の必要マイル数を上回っています。
このため、この経路での乗り換えでの特典航空券の発券はできません。
これも当たり前のルールです。が、これも逆説的に超重要な意味を持ちます。
このルールを逆から読むと、乗り換え地点から目的地までの必要マイル数が、出発地から目的地の必要マイル数を上回らなければ、乗り換えできる、ということです。
2つのルールの逆説的検証
「乗り換え地点のエリア制限ルール」と、「乗り換え地点のマイル制限ルール」を逆説的におさらいしましょう。
- 乗り換え可能エリア内(例エリア3からエリア3)であれば、乗り換えは自由に可能
- 乗り換え地点から目的地までの必要マイル数が、出発地から目的地の必要マイル数を下回れば乗り換えは可能
このルールを頭に入れて、再度特典航空券のチャートを見て行きましょう。
ここでは本当に「例えば」ですが、赤枠内をご覧ください。
日本からゾーン3であるアジア(中国、台湾、香港等)に行くためのビジネスクラスのマイル数は43,000マイル。一方、韓国からゾーン3に行く際に必要なマイル数は、42,000マイルです。
韓国からの出発の方が、所要マイル数が少ないですよね。
この場合、「乗り換え可能エリア内」であり、かつ「乗り換え地点から目的地までの必要マイル数が、出発地から目的地の必要マイル数を下回る」ことになります。
このため、日本発のゾーン3アジア行きの全ての旅程で、ソウルを往路・復路で合計4回経由地に加えることができるんです。
同じく、青枠内をご覧ください。
青枠内は、ゾーン4である「その他アジア」・・シンガポールやジャカルタ、バンコクなどが目的地ですが、この場合、日本からの出発便からの所要マイル63,000マイルに対し、ゾーン2韓国およびゾーン3東南アジアの乗り換えがいずれも出発地から目的地の必要マイル数を下回ります。
つまり、日本発のゾーン4「その他アジア」行きの全ての旅程(所要63,000マイル)の場合、ソウルはもちろん、中国・台湾・マカオ・フィリピン・グアム等で、旅程を問わず往路・復路で合計4回経由地に加えることができるんです。
これ、凄まじい破壊力です。
例えば、どういった利用方法があるのか?ちょっとだけ解説してみます。
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提携航空会社特典航空券の裏技的利用価値
この裏技の応用方法・・つまり利用価値はそれこそ数限りなくありますので、代表的なものだけをご紹介しておきます。
国際線を国内線代わりに利用する
一つめのご紹介が、例えばこんな使い方です。
これは事例でも紹介しましたが、名古屋からシンガポールへ飛び、シンガポールから香港へ。
さらに一旦香港から東京へ飛んだ後に、国際線ビジネスクラスを国内線代わりに利用して、名古屋へ戻っています。
本来、香港から東京到着後、名古屋までの間は国内線を利用する区間ですが、ここまで説明したルール上、ソウルは普通に乗り換え地点として含めることができますからね。
同じマイル数でビジネスクラスに乗りまくり、さらに国際線ビジネスクラスを国内線代わりに利用するという芸当を実現することができます。
ビジネスクラスをホテル代わりに利用する
二つ目の使い方が、こんな使い方です。
東京から香港へ飛び、香港での1泊分のホテル代を浮かすために深夜便利用でソウルへ。ソウルからは国内線代わりに台北(桃園)へ飛び、台北観光をしたのちに台北(松山)空港から東京へ戻る行程です。
ここでのポイントは2つです。
一つは、深夜便を上手に利用していること。正直、近距離深夜便ではほとんど眠れないことも多いのでおすすめはできませんが、こういう方法も「あり」です。
もう一つのポイントは、フライトの旅程です。
東京から香港(西)、香港からソウル(北)、ソウルから台北(東)、台北から東京(北)と、旅程としてはかなりクロスする旅程なんですよね。これ、本当に大丈夫?って旅程ですよね。
でも、これは・・・
- 同じエリア3内での乗り換えは可能
- 往路・復路でそれぞれ国内・国外2回ずつ乗り換え可能
上記のとおり、ここまで紹介したルール内なので、余裕で発券できます。
これ、本当に上手に利用したいですよね。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
提携航空会社の特典航空券のルールは実はかなり奥深いんですが、この記事で解説した2つのルールをしっかり覚え、活用することで実はマイルを使った特典航空券の発券の幅が大きく広がります。
特に最低限覚えておいていただきたいのは・・提携航空会社の特典航空券で海外との単純往復をする場合、日本国内の「おまけフライト」を1つ付けることができる、ということです。
- 名古屋~グアム
- グアム~名古屋
- 名古屋~札幌(365日以内の日程でフライトを追加可能)
これは繰り返しですが、例えば、上記のような例ですね。
この記事も参考に、いろんなパターンでの特典航空券の発券を試してみていただければと思います。
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