マリオット・ボンヴォイのリワード・ポイントは、非常に貯めやすいポイントです。
SPGアメックスカードの所有者なら、通常のカード利用で100円=3P、そしてマリオット系列のホテル利用時にはなんと100円=18.5Pも貯まるんです。特にマリオット系列ホテルに宿泊時のポイント還元率18.5Pって、これ衝撃のポイント還元率じゃないですか?
この還元率は嘘じゃありません。本当です。何しろ例えば約23,600円のホテル利用で約4,500Pがもらえる計算ですが、実際に私もらいましたからね。
その他日常生活でのSPGアメックスの利用でも100円=3Pもらえるので、貯まりやすさが半端ありません。また、SPGアメックスの入会キャンペーンで39,000Pもらえることでもおなじみですね。
そしてこのマリオットのポイントは、マリオット系列ホテルへの無料宿泊特典への交換と、航空会社のマイルへの交換が可能なんですが、これ、どちらがお得なのでしょうか?
徹底比較してみましたので、解説します。
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目次
無料宿泊への交換の価値を検証する
まず、基本となるポイントの利用方法である、マリオット系列ホテルへの無料宿泊特典への交換について、その価値を検証してみます。
まずこちらが、各カテゴリーごとの無料宿泊に必要となるポイント数です。※オフピーク、ピークは2019年5月現在まだオープンとなっていません。
カテゴリー | オフピーク | スタンダード | ピーク |
1 | 5,000 | 7,500 | 10,000 |
2 | 10,000 | 12,500 | 15,000 |
3 | 15,000 | 17,500 | 20,000 |
4 | 20,000 | 25,000 | 30,000 |
5 | 30,000 | 35,000 | 40,000 |
6 | 40,000 | 50,000 | 60,000 |
7 | 50,000 | 60,000 | 70,000 |
8 | 70,000 | 85,000 | 100,000 |
ちなみに、日本に約40あるマリオット系列ホテルに、カテゴリー4以下のホテルは存在しません。
いわゆるマリオット、ウェスティンなどのプレミアムホテルの場合は、大体カテゴリー4以上のことが多いため、無料宿泊に必要なポイントは日本国内の場合25,000Pからスタートです。
こちらは、プレミアムホテルの一つ下のカテゴリーに位置する、「セレクト」にランクされるフォーポイント系列のシェラトンホテル、「フォーポイントバイシェラトン函館」です。
フォーポイントホテルの場合カテゴリーは3のことも多いのですが、このホテルは立地の良いホテルのためカテゴリーは4。宿泊料金は31,000円となっています。
カテゴリー4の無料宿泊に必要なポイントは25,000Pですから、1Pの価値は、なんと1.25円ということになります。
次に、カテゴリー5のホテルです。ウェスティン都ホテル京都ですね。このように、ウェスティンやマリオットなどプレミアムにランクされるホテルの場合、大体カテゴリー5以上になります。
無料宿泊に必要なポイントは35,000Pですが、このウェスティン都ホテル京都の場合なんと1泊44,650円。このため、1Pの価値は1.27円になります。凄まじい価値で使えますね・・。
次にご紹介するのが、カテゴリー6のホテル。プレミアムホテルの中でも特に立地の良いホテルや、設備やサービスのグレードが高いホテルが対象になります。さらに上級の「ラクジュアリー」に該当するホテルの一部が含まれていることもあります。
無料宿泊に必要なポイントは50,000Pです。しかし、この事例でご紹介した大阪マリオット都ホテルの場合、34,580円です・・。1Pの価値は、0.7円相当ということになります。
このように、マリオット・リワードポイントの1Pの価値はホテルや利用時期によって異なりますので、本当にお得かをよく考えて利用する必要があります。ただ、後述しますがこれでも実は非常にお得なんですけどね。
次にご紹介するのがカテゴリー7のホテル。リッツ・カールトンやセントレジスなど、マリオット系列ホテルでも「ラクジュアリー」に位置づけられるホテルが含まれます。
無料宿泊に必要なポイントは60,000Pです。上記のザ・リッツ・カールトン大阪の場合、宿泊料金は45,000円ですので、1Pの価値は0.75円ということになります。これも若干ポイントの価値としては低めです。
が、なんかちょっと感覚がマヒしちゃっているんですが、忘れちゃいけないのがこのホテル1泊で45,000円ですよ?ってことです。
このお金を一括で支払う必要なく、ポイントで無料宿泊できるんなら、それはもうそれだけで価値があることかもしれませんね。
最後にご紹介するのが、最高峰カテゴリー8のホテル。ラグジュアリーにランクされるホテルの中でも、最高峰の立地とサービスを誇る超高級ホテルが含まれます。
無料宿泊に必要なポイントは85,000P。上記ザ・リッツ・カールトン京都の宿泊費は97,000円ですので、1Pの価値は1.14円になります。
低カテゴリーのホテル
ここまでご紹介したとおり、日本にある約40超のマリオット系列ホテルの中にはカテゴリー4以上のホテルしか存在しないのですが、世界に目を向けると、カテゴリー3以下のホテルも・・確かに少ないのではありますが存在します。
こちらはカテゴリー1のホテルである、上海は虹橋空港の近くに存在するコートヤード上海虹橋です。
宿泊料金は9,136円。無料宿泊に必要なポイントは7,500Pですので、1Pの価値は1.21円です。
こちらはカテゴリー2のホテルである台湾は台北に位置するアロフト台北北投。宿泊料金は12,347円。無料宿泊に必要なポイントは12,500Pですので、1Pの価値は約1円ですね。
このように、日本にはカテゴリー4以下のホテルが存在しないため、25,000P以上からでないと無料宿泊に利用はできませんが、海外旅行時などには最低7,500Pからしっかり無料宿泊特典で利用ができます。
無料宿泊特典交換時のマリオット・リワードポイント1Pの価値は
ここまで事例をもとに解説してきましたので、大体、イメージをつかんでいただくことはできたのではないでしょうか。
マリオット・リワードポイントの価値は、1Pあたり0.8円~1.2円程度。これが、マリオットリワードポイントの相場ですね。
ただ、ここに忘れてはいけない事実があるんです。それは、このマリオット・リワードのポイントはSPGアメックスの通常のカード利用でもらえるポイントとしては、なんと100円利用で3Pももらえるんですよ。
つまり、SPGアメックスというクレジットカードの還元率という尺度で計算すると、なんと2.4円~3.6円。つまり、ポイント還元率が2.4%~3.6%にもなる、ということです。このように、SPGアメックスのカードとしての還元率は極めて高いんです。
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マイルへの交換の価値を検証する
さて、ここまでマリオット・リワードポイントの無料宿泊特典への交換時の価値についてはよろしかったでしょうか?
次に、マリオット・リワードポイントをマイルへ交換した場合の価値についても検証してみましょう。マリオット・リワードポイントは、以下の航空会社のマイルに交換することができます。
エイジアンエアライン | ハイナン航空 |
アエロフロート | ハワイアンエアライン |
アエロメヒコ | イベリア航空 |
エアカナダ | JAL(日本航空) |
エアチャイナ | ジェットエアウェイズ |
エアフランス | ジェットブルー |
エアニュージーランド | 大韓航空 |
アラスカ航空 | ラタム航空 |
アリタリア航空 | ルフトハンザ |
ANA(全日空) | マルチプラス |
アメリカン航空 | カンタス航空 |
アシアナ航空 | カタール航空 |
アビアンカ航空 | サウディア航空 |
ブリティッシュ・エアウェイズ | シンガポール航空 |
キャセイパシフィック | 南アフリカ航空 |
中国東方航空 | サウスウエスト航空 |
中国南方航空 | エアポルトガル |
コパ航空 | タイ航空 |
デルタ航空 | ターキッシュエアライン |
エミレーツ航空 | ユナイテッド航空 |
エティハド航空 | ヴァージンアトランティック |
フロンティアエアライン | ヴァージンオーストラリア |
航空会社へのマイルの交換は、上記約40のほとんどの航空会社に、3ポイントを1マイルの交換割合で交換することができます。(ニュージーランド航空、ジェットブルー航空のみ交換割合が低いので注意)
そして、この航空会社へのマイル交換でなんといっても凄いのが、JALマイルへ実質等価交換可能なことです。こういったホテル系のポイントで、ほぼ1対1の割合(1円=1マイル)でJALマイルへ等価交換できるのはこのマリオットリワードが唯一といってもよいと思います。
そしてさらに、マリオットリワードからマイルに交換する際に、6万ポイントを一括でマイルに交換するとなんと5千マイルのボーナスマイルがもらえます。
この特典を利用してポイントをマイルに交換すると、6万ポイント=25,000マイルという交換率になります。つまり、マリオットリワード1P=0.42マイルということになりますね。
ANAマイルに交換した場合の価値
では、このマリオット・リワードポイントをANAマイルに交換したと仮定してその価値を円換算してみましょう。
1ANAマイルの価値は、2円以上で使える、というのが通説です。というか、実際に私は何度も2円以上の価値で利用していますので、実体験としても、この通説は間違っていないと言い切れます。
マイルを特典航空券に交換したと仮定した場合の、利用用途別の価値計算は、以下のとおりですね。
用途 | 1マイルの価値 | 1マリオットPの価値 |
国際線ファースト | 15円超 | 6円超 |
国際線ビジネス | 8円超 | 3.2円超 |
国際線プレエコ | 3円超 | 1.2円超 |
国際線エコ | 1.5円超 | 0.63円超 |
国内線普通席 | 2円超 | 0.8円超 |
用途別の1ANAマイルの価値に、マリオット・リワードポイントのマイル単価である0.42を乗算して算出しました。
いかがでしょうか?マイルに交換した場合の価値は1P=0.6円~6円超と意外にマイルに交換してもマリオット・リワードポイントの価値は伸びないですよね?
最低でも国際線プレミアムエコノミークラス以上で利用しないと、マイルに交換するよりも無料宿泊に利用した方がお得、ということになってしまいそうです。
少なくともスカイコインなんかに交換していては絶対に大損ですので、ご注意ください。
JALマイルに交換できるのは最大の魅力
このように、実はマリオット・リワードポイントはマイルに交換した際の価値が実は微妙なんですが、唯一にして最大のメリットがあります。
それが、JALマイルに等価交換が可能ということです。JALマイルは、実際に貯めたことのある方はお分かりと思いますが、超絶貯めづらいマイルです。
何故、こんなにも貯めづらいのか?それは、他社ポイントから大量に等価交換可能なポイントが超絶限られているんですよ。
例えば、アメリカンエキスプレスには各種ブランドのカード、「アメックス」「ANAアメックス」「スカイトラベラー」「SPGアメックス」などがあります。この4つのカードで貯めたポイントは、ANAマイルにならすべてのブランドで等価交換が可能なんですが、JALマイルにはこのSPGアメックスカードのリワードポイントでないと、交換ができないんです。
アメックスやスカイトラベラカードのリワードポイントでは、JALマイルには交換できないんです。アメックスゴールドなんてJALマイル貯まりそうですが、一切、交換できません。それほど、他社ポイントからの流入交換で貯める方法が少ないのが、JALマイルなんです。
このため、JALマイルを貯めたい方にとって、ほぼ唯一の大口の交換元となるのが、このマリオット・リワードポイントなんです。JALマイルを貯めたい方は、価値は度外視しても良いかもしれません。
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結局、無料宿泊特典と航空会社のどちらがお得?
マリオットリワードポイントは無料宿泊特典に利用すべきなのか?それとも航空会社のマイルに交換すべきなのか?
この疑問について、ここまで徹底比較してきたその要点をまとめると、以下のとおりでした。
- マリオット・リワードポイントは、無料宿泊特典に利用すると1P=0.8円~1.2円相当で使える。
- ANAマイルを筆頭とした航空会社のマイルに交換すると、1P=0.6~6円超相当で使える。
- 航空会社マイルに交換する場合、少なくともプレミアムエコノミークラス以上で利用しないと無料宿泊より損。
- JALマイルに交換できる貴重なポイント。JALマイルを貯めたい方はJALマイルへの交換がおススメ。
マリオット・リワードポイントは3P=1マイルの価値ですので、意外にも航空会社のマイルに交換しても価値が伸びない、という結果になりましたね。
この「マリオット・リワードポイントは無料宿泊特典か航空会社マイルか」問題に対し、貯めているマイル別に、私なりの考え方を整理したいと思います。※ここからは個人の主観も入ってきますので、考え方は人それぞれかと思います。最終的なご判断は読者の方にてお願いします。
ANAマイラー
まず、ANAマイルを貯めているANAマイラーの場合です。
ANAマイルはご存知のとおり非常に貯めやすいマイルです。そして、マイルといえば旅行です。旅行といえば・・そう、ホテルです。つまり、航空券とホテルはセットのようなものなんです。
航空券だけ無料になっても、結局ホテル代が嵩むということが、結構多いんですよ。つまり、お得に旅を楽しむためには、航空券と、ホテルの両方を無料にする手段を保有しておくことが重要なんです。
そして、ANAマイルでも宿泊に利用することはできますが、大体1マイル=1円程度にしか使えません。このため、ANAマイラーはマリオット・リワードポイントは無料宿泊特典に交換するのが絶対にお得だと思います。
ANAマイルは非常に貯めやすいので、リワードポイントまでANAマイルに交換しなくても十分にマイルを貯めることができます。それより、無料宿泊と組み合わせた完全無料旅を実現させた方がはるかにお得だと思います。
JALマイラー
お次は、JALマイラーです。
基本となる考え方「航空券とホテルの両方を無料にする手段を開拓しておく」というコンセプトはANAマイラーと同じなのですが・・正直、JALマイルが数万マイルの規模で手に入るポイントプログラムはこのマリオット・リワードくらいなんですよね。
このため、JALマイルがどうしても欲しい方は、JALマイラーに限ってはJALマイルへの交換もありだと思います。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
個人的には、貯めたマイルで無料特典航空券+貯めたマリオット・リワードポイントで無料宿泊というコンボが、陸マイラーが完全無料旅行を実現するための最強の手段だと考えていますので、基本的には航空会社マイルへの交換ではなく、無料宿泊特典への交換がお得ではないかと思います。
海外旅行に、無料の特典航空券・・しかもビジネスクラスで行って、さらに宿泊はマリオット系列の高級ホテルに無料宿泊特典で宿泊する・・。この完全無料旅行こそが、陸マイラーの真骨頂ですからね。
以上、マリオット・リワードポイントは無料宿泊特典と航空会社のマイル、どちらに交換するのがお得か?について検証してみました。何かの参考になれば幸いです。