アシアナ航空の親会社「錦湖産業」が全株式を売却。今後のフライトやサービスは大丈夫なのか?

2019年4月、韓国第2の規模を誇るフルサービス・キャリアであるアシアナ航空の親会社「錦湖(クムホ)産業」が、保有するアシアナ航空の全株式を売却し、経営再建に乗り出すことが明らかになりました。

個人的にアシアナ航空はサービスもよく特段悪い印象のない航空会社だったので、これはかなり衝撃的なニュースでしたね。

そして、中には「え・・アシアナ航空のチケットもう買っちゃったんだけど、ちゃんと飛ぶの?サービスは大丈夫なの?」とご心配の方も多いのではないでしょうか。

実はもちろん、私もその一人です(笑)。

全然、笑いごとではないこの突然の発表ですが、今後、アシアナ航空のフライトやサービスは本当に大丈夫なのでしょうか?

私は未来予知者でもなんでもありませんが、過去の他の航空会社の経営トラブル時、実際のフライトに及ぼした影響や、サービスへの影響などの事例をもとに、今後のアシアナ航空について考察してみたいと思います。

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アシアナ航空の株式売却の理由

今回のアシアナ航空の親会社「錦湖産業」による、保有するアシアナ航空株式売却の理由。

直接的には、LCCとの競争の激化などの理由により、アシアナ航空の直近の2018年12月期の営業利益が約200億円の赤字であったことなど、当然ながらアシアナ航空の経営不振が主な原因ですが・・これ、実はそもそもの主な原因は、韓国有数の財閥であるクムホグループの経営不振によるところが大きいんです。

このため、当初クムホグループとしては、銀行団から融資を取り付けてグループ全体の売上の6割を占めるアシアナ航空の再建を図ることを目標にしていました

しかしながら、結局は銀行団から「経営不振のクムホグループに、アシアナ航空の再建を任せることはできない」「株式を売却し、クムホグループからの離脱&株式売却による資金調達が、融資の条件」との条件提示を受け、アシアナ航空とクムホ財閥全体の心中を防ぐため、およびアシアナ航空の再建のために、保有するアシアナ航空の全株式の売却を決めました。

つまり、この株式売却はあくまでクムホ財閥とアシアナ航空の存続と再建を図るための売却劇なんです。このため、株式売却=いきなり経営破綻でフライトストップ!などと、短絡的に考える必要はなさそうです。

このように、アシアナ航空の公式HPにも、今回の報道はあくまで株主の変更であって、今後の運航及びサービスに支障はない旨が掲載されています。

過去の様々な他社事例からも、この注意書きは信頼に足るものと思います

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過去の主な航空会社の経営破綻

今回のアシアナ航空は、あくまで親会社の経営不振に伴い親会社が株式を売却するという事例です。

そして、過去には親会社から株式売却されるどころか、会社そのものが経営破綻してしまった航空会社の事例もあります。この事例を、少しだけ確認してみましょう。

2010年 JALの経営破綻

過去の主な航空会社の経営破綻といえば、まずは思い起こされるのがJALですよね。

今となっては、「え、JALって経営破綻したの?」ってこれご存知ない方ももしかしたらいらっしゃるのではないかと思いますが、JALは2010年に多額の負債を抱え会社更生法の適用を申請、法的整理手続きを受けました。

しかし、この会社更生法の下、給与カットや従業員数の削減などの厳しいリストラ等を経て、今では日本を代表するキャリアとしてV字回復を遂げたことは、皆様ご存知のことと思います。そして、この会社更生法の適用申請後も、不採算路線の運航廃止等の措置はありましたが、フライトに影響が出ることはありませんでした

また、社外から招へいされた京セラ出身の稲盛会長の指揮のもと、徹底的なサービス向上にも取り組み、今では日本でもANAと肩を並べる超絶サービスの充実した航空会社として、その名を知られています。

JALの事例は、航空会社の経営破綻=フライト停止&サービス低下を示すものではない、という典型的な事例ですね。

破綻してよくなる、ということもあるんです。

2007年~ アリタリア航空の経営破綻

次の事例は、イタリアのアリタリア航空の経営破綻です。

アリタリア航空は、経営が悪化した2007年以降、実質破綻して国(イタリア)の管理下に入り、その後国の管理下を抜け、新たに傘下に入る他国の航空会社を巡って駆け引きを繰り広げるなど、その経営は迷走を繰り返してきました

最終的には、2014年にエティハド航空の傘下に入り、一時的に経営は安定しましたが、2017年に再度経営が悪化。国の主導のもと従業員給与のカットや社員数削減などのリストラ策をまとめましたが、労働組合がまさかの否決。2017年になんと2度目の倒産をしてしまいました

ですが、このアリタリア航空、2回も倒産しましたが一応途切れることなく運行は継続しています

アリタリア航空の場合、国(イタリア)の公営企業のような側面があるため、最後は国の資金注入がある前提なので運行を継続することができました。しかしながら、資金難から機材への投資やサービスへの投資が進まず、特に機材の面では現時点でもかなり見劣りするサービス内容となっています。

倒産しても国を代表するナショナル・フラッグ・キャリアであり、資金が続けば運航は継続するという典型例ですが、一方で、機材の質をはじめとしたサービスの低下を招くという典型例でもあります。

2012年 マレーヴ ハンガリー航空の倒産

そして、最後にご紹介するのがこちら。

マレーヴ・ハンガリー航空の倒産です。マレーヴ・ハンガリー航空は、東欧のハンガリーのナショナル・フラッグ・キャリア(半国営の国を代表する航空会社)でしたが、2012年に多額の負債を抱え資金繰りが悪化。

アリタリア航空と同じく、国(ハンガリー)が支援に乗り出し、一旦は支援策を取りまとめましたが、結局は財政問題を理由に追加支援策が欧州委員会から禁止され、2012年2月にマレーヴ・ハンガリー航空は倒産し、同月、すべての航空機の運航を停止しました

いわゆる金融支援策のうち手が全くなくなると、今後の搭乗客がいようがいまいが、そして国の支援があるナショナル・フラッグ・キャリアであろうと容赦なく倒産して、すべての航空機の運航が停止する。その典型例が、このマレーヴ・ハンガリー航空の事例だと思います。

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アシアナ航空は運航停止の危険性はないが・・気になるのはサービスの低下

ここまで過去事例でご紹介したとおり、特にLCCではなく、利用顧客の多いフルサービス・キャリアの場合であって、かつその後の資金調達のめどがある場合、その公共交通機関としての性質上、破綻が直ちにすべての航空機の運航停止にまでつながる危険性は、それほど高くないと思います

(※ただし、特に欧州を中心に、LCCは突然の破綻で運航停止は「ざら」にありますのでご注意ください。)

特に今回のアシアナ航空のような国を代表するキャリアの場合、倒産させることの社会的な影響が大きいですし、親会社による株式の売却は今後の経営再建のための条件ですので、前提となっているのは「運航の継続」です。

また、アシアナ航空自体が経営破綻したわけでもありません。

このため、とりあえずはいきなり運航停止する危険性については心配する必要はないと思います。

一方で、気になるのは乗客に対するサービスの低下です。

既に報道等でご存知の方も多いと思いますが、アシアナ航空の親会社である錦湖グループは、採算性を高めアシアナ航空の株式をより高値で売却する目的で、希望退職の募集や、無給休職の募集など、厳しいリストラを進めています

この経営方針は経営危機に瀕した企業の経営方針としては正しいんだと思いますが、実際に働く人たちの心中は・・・どうなんでしょうね

少なくとも、顧客に対するサービスレベルの上昇効果があるとはとても思えません。さらに、機材の投資も進まないでしょうから、機材面での改善メリットについても期待できないでしょう。

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まとめ

ここまでご紹介した、アシアナ航空の親会社錦湖産業による突然の株式売却報道。

とりあえずは、過去の事例を見ても、また今回の株式売却の経緯を踏まえても、いきなり航空機の運航停止という事態に陥る可能性は低そうです。あくまで経営不振の親会社による子会社「アシアナ航空」の株式売却であり、かつその売却の目的はアシアナ航空の経営再建であることを考えれば、突然の経営破綻、フライトキャンセルということは考えにくいと思います。

ただし、錦湖産業はアシアナ航空株式の「2019年12月末までの売却」を目標として掲げており、この2019年12月までの間に、少しでも高値で株式を売却できるよう、少しでも収益性を高めるための徹底的なリストラと、不採算路線、不採算サービスのカットに取り組んでくると思います。

アシアナ航空が打ち出した「ファーストクラス」の運休も、その一環ですね。

つまり、株式の売却が完了する2019年12月末まで・・サービスの質の低下については、これはやっぱり避けられないのではないか・・とも思えちゃうんですよね。

もちろん、その結果サービス低下の悪評が広まってしまって搭乗者数が減少してしまうと再建に向けて本末転倒ですので、少なくともエコノミークラスのサービスなどは大きく変化はしないと思いますが・・ビジネスクラスとかは、どうなっちゃうんでしょうか。これ、本当によくわかりませんね。

個人的にビジネスクラスのチケットをすでに予約済みの私としては、かなり気になってしまいます。

以上、アシアナ航空の株式売却に関する考察をご紹介しました。

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